流れつくる牧のバント 三浦監督、勝利への原点回帰

[ 2021年5月5日 08:00 ]

<D・ヤ8>6回無死一、二塁、送りバントする牧(撮影・島崎忠彦)
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 今季、最も番長と質疑応答が「ツーカー」になったと感じた。

 1日のヤクルト戦。記者はDeNA・三浦大輔監督に、ドラフト2位・牧秀悟内野手のプロ入り初となった犠打について質問した。「牧君に初めてのバント。キャンプを思い出しました」。回答は早かった。「そうですね。迷いはなかった」。

 2―2の6回無死一、二塁。5番・牧は投前に転がした。犠打失策となり無死二、三塁。そして2死から代打・倉本が決勝2点中前打。32試合中31試合目の先発出場だった牧のプロ初犠打が生きた。

 犠打は開幕前の2月27日の練習試合・日本ハム戦以来。0―0の5回無死一、二塁で三塁前に決めた。直後に山本が2点左前打。指揮官も「器用だし、いいバントだった」と称えていた。

 春季キャンプでの牧の印象は「中距離砲でバント、右打ちもこなす」だった。ルーキーは、開幕後最下位に低迷するチームをけん引し打ちまくった。

 4月16日の巨人戦。6連敗中だった指揮官は2番・牧に初回無死一塁で菅野相手に打たせた。結果は遊ゴロ併殺打。打率はこのとき・366で5本塁打。指揮官の選択にバントはなく、試合は0―7の完敗だった。

 キャンプでは好機でバントが基本線だった男に、シーズンでは「打て」が続いた。一方で試合は黒星続きで同27日で借金は16に膨らんだ。牧は「諸刃の剣」となった。

 責任感の強い男。4月は本当に頑張った。皮肉なことに、月が代わり1日時点の打率は・288。バントは調子落ちの男への的確な指示。だから、指揮官に迷いはなかった。

 とはいえ、それは勝利への原点回帰でもある。勝つために必要なこと。そのため記者も質疑応答が「ツーカー」になったと感じた。

 そのバントからチームは3連勝。大技、小技に救援陣の踏ん張りも重なり、上昇気流に乗りつつある。5番・牧は賛成。それでもいい流れをつくるため、新人の勝負どころのバントは続けてもらいたい。(記者コラム・大木 穂高)

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