逆襲の近本だ 虎のリードオフマンが今季初適時打&初打点&初マルチ 矢野監督「流れが来れば落ち着く」

[ 2021年4月3日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3ー6中日 ( 2021年4月3日    京セラドーム大阪 )

<神・中>2回2死二、三塁、阪神・近本は中前に勝ち越しの2点適時打を放つ。投手・福谷(撮影・北條 貴史)
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 ようやく虎のリードオフマンにエンジンがかかり始めた。試合中にのぞかせた、阪神・近本のホッとした表情が、不振から解放されつつあることを如実に物語っていた。

 「早い回に勝ち越しておきたかったので、いい所に落ちてくれてよかった」

 2回だ。木浪の適時打で同点とした直後。2死二、三塁から福谷の内角直球を詰まりながらも中前に運んだ。一時逆転となる2点打は、今季30打席目で飛び出した初の適時打だった。そしてこれが、今季の初打点でもあった。打って満足…ではない。塁に出れば走るのが、近本のもう一つの役割。次打者・糸原への2球目では二盗を企図し、楽々と今季2個目の盗塁を決めた。

 いったん波に乗ると止まらない。3―1の7回1死一塁では、三塁線へ絶妙なセーフティーバントを決め、今季初のマルチ安打も記録した。結果として勝利にこそ結びつかなかったが、「初ものづくし」で同学年の藤浪を援護。選手会長の復調気配は、136試合を残すチームにとって、何よりの光明だ。

 開幕直後は本来の打撃が影を潜めた。特に3月27日のヤクルト戦の第1打席で安打を放って以降19打席連続無安打と不振が続いた。だが出口のないトンネルはない。1日の広島戦で4試合ぶりの安打を放ち、不振脱出のきっかけをつかんだ。

 昨季も開幕から1カ月以上、打率1割台と苦しむも、最終的には打率・293まで引き上げた。近本の本領発揮は、まさに、これから。矢野監督も「結果が出えへんかったら、もちろん焦りもある。そういうところでは、流れが来れば、落ち着いてくるんじゃないかなと俺は見ている」と全幅の信頼を寄せる。

 2番の糸原が目下、打率・433と好調。その前の近本が復調すれば、打線に厚みが増すことは確実だ。シーズンはまだ始まったばかり。出遅れた分は、これから返してくれればいい。 (長谷川 凡記)

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