福島敦彦氏　投手力を含めた「守りの力」で頂点に立った東海大相模　明豊も普段通りの力を発揮

第93回選抜高校野球大会最終日　決勝   東海大相模3―2明豊 （ 2021年4月1日    甲子園 ）

福島敦彦氏
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　【福島敦彦の追球甲子園】攻守に見応えある、すばらしい決勝戦だった。東海大相模の最大の勝因は投手を含めた「守りの力」だろう。

　初回は1死一塁から右翼線への二塁打に対し全く無駄のない中継プレーで一塁走者の生還を阻止。4回1死満塁では左犠飛で一時勝ち越しを許したが二塁走者の三進は許さなかった。8回2死一、二塁では中前に抜けそうな打球を二塁手の綛田君がグラブに当てて二塁封殺。勝利への執念を感じた。また、絶対的エースの石田君が後ろに控えたことで、後半勝負に持ち込めば勝てるという無形の力も働いたように思える。

　明豊は初の決勝ながら独特の雰囲気にのまれることなく、普段通りの力を発揮した。初回から積極的にスイングし、無死から走者を出せば確実に犠打で得点圏に送りプレッシャーをかける。大会を通じて無失策と守りからもリズムをつくった。言葉でいうのは簡単だが、なかなかできないことで改めて攻守でよく鍛えられた好チームだった。（報徳学園、慶大、中山製鋼元監督）