慶大野球部の新たな挑戦 学生球界では異例の「アナリスト」部門新設

[ 2020年11月21日 05:45 ]

慶大野球部のアナリスト第1号となった佐々木勇哉
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 今秋東京六大学野球はお互いに優勝をかけた早慶戦となり、早大の優勝で幕を閉じた。

 一方、悔しさを糧に慶大は来季へ福井章吾捕手(3年、大阪桐蔭)のもとで再スタートを切った。

 その慶大では、今年から学生球界では珍しい「アナリスト」部門が新設された。

 自前のアナリストを抱える社会人野球・トヨタ自動車出身の竹内大助・助監督と赤松尚範マネジャーが中心となり、部門を設置。竹内助監督は「先代の林助監督がラプソードを持ち込まれて、自他分析に役立てていた。その文化を消したくないという思いがあった」と語る。

 学生野球の場合、分析などは4年生やメンバー外の分析班が担うのが一般的だ。しかし卒業してしまうと蓄積されるものが限られる。もっと体系的に組織として情報を蓄積したい考えもあった。

 そして今春、アナリスト第1号となったのが1年生の佐々木勇哉だ。野球経験は小学校のみ。中学、高校(都立川)では水泳部に所属したが、野球やラグビーなどのスポーツ観戦が好きで「WBCやラグビーW杯で分析担当の存在が注目されて、プロ野球でも力を入れている球団が多い。選手としては携われなくても貢献できる場所があるんだと思って、分析に興味を持っていた」。

 慶大進学にあたり、野球部とラグビー部を見学。ラグビーはすでにアナリストの体制ができあがっており、「挑戦するなら0からやってみよう」と野球部を選んだ。

 現在は竹内助監督のアドバイスのもと選手にデータに興味を持ってもらうため、プレー動画撮影や分析ツールを使って各オープン戦の結果を入力。先輩が分析するためのデータ作りを行っている。

 「ノウハウが3、4年生のみで抜けてしまうともったいないので、強化したい部分として自チームの育成につなげるための情報を蓄積したい。将来的には1日3部の練習を打撃と守備の動画をしっかり撮って共有して育成の方に貢献できるような環境づくりができればと思っている」。

 慶大野球部では今後も随時募集を行っていくという。

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2020年11月21日のニュース