島の県立高、長崎・大崎 初の九州王者!1年生左腕・勝本 福岡大大濠相手に1失点完投 

[ 2020年11月7日 05:30 ]

秋季高校野球九州大会決勝   大崎5―1福岡大大濠 ( 2020年11月6日    長崎県営 )

<大崎・福岡大大濠>優勝を決め喜ぶ大崎ナイン
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 大崎(長崎)が福岡大大濠に5―1で勝利し、初優勝を飾った。同校は長崎県西部に浮かぶ大島にある。沖縄県以外の島にある学校が九州王者になるのは史上初の快挙となった。公立校の優勝は2009年秋の嘉手納(沖縄)以来11年ぶり。先発した勝本晴彦投手(1年)が4安打1失点完投で頂点に導いた。

 進撃は最後まで止まらなかった。マウンド付近で喜びを爆発させる大崎ナイン。佐世保実を率いて甲子園出場経験がある清水央彦監督は「こんなこともあるんだ、と人ごとのように見ていました」と実感が湧いていない様子だった。 

 3試合連続完投中のエース、坂本に代わり大役を任された1メートル81の長身左腕、勝本が起用に応えた。初回に先制本塁打を浴びたが、「うちのチームは逆転して勝っていることが多い」と切り替えた。

 2回以降は120キロ台の直球とカットボールを低めに集めて、打者のタイミングをうまくずらしていった。「(坂本)安司さんは疲れが絶対にたまっている。自分が絶対(最後まで)投げてやるという気持ちだった」と胸を張った。

 勝本は長崎・五島列島出身。島から島へやってきた球児だ。実家は洋菓子店「お菓子の店 かつもと」を営む。おすすめはクリームクロワッサン。「一番人気です。僕もたまに食べてました」と笑った。

 昨秋の九州大会の経験が生きた。初戦で川瀬堅斗(オリックス育成1位)を擁する大分商に15安打しながら延長の末3―4で敗れた。「それまでは自由にやらせていた(振らせていた)。それじゃ勝てないんだな」と清水監督。決勝点は1―1の4回。1死一塁から犠打で得点圏にランナーを進めて、9番・山口の適時打につなげた。

 一発を狙わず、ヒットを狙ってコンパクトに振ることも練習から徹底させた。4試合中3試合で2桁安打を記録した。

 4試合無失策。守りも堅い。清水監督に慢心はない。「例年以上に鍛えて甲子園に向けて準備したい」。島からの旋風を甲子園でも起こすべく、目をぎらつかせた。 

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2020年11月7日のニュース