佛教大・八木風磨 完全燃焼「やり切りました」 野球人生にピリオド

[ 2020年11月6日 14:28 ]

第18回大阪市長杯争奪 関西地区大学野球選手権大会1回戦   佛教大1―5奈良学園大 ( 2020年11月6日    南港中央 )

佛教大・八木風磨
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 佛教大・八木風磨外野手(4年=北稜)は完全燃焼で野球人生を締めくくった。途中出場し、1打数無安打。0―4の8回1死からは確実に四球を選び、最後までチームプレーに徹した。卒業後は野球を続ける予定はなく「やり切りました」とさわやかに笑った。

 一躍、名を挙げたのは昨春の全日本大学選手権だった。初戦から安打を量産し、15打数10安打の猛打で大学史上初の準優勝に貢献。決勝の明大戦では現在、新人王、最優秀防御率のタイトルを争う森下暢仁(広島)から4打数2安打を記録した。

 「あの時はおかしかった。今だったら、絶対に打てない」

 満面の笑顔で謙遜するが「自分でも成長できた。プレッシャーのかかる場面でも、堂々とできるんだと思った」と自信を手にした。

 選手権以降、チーム内でのニックネームは「ヤギロー」に定着。さらなるブレークが期待されたが、昨秋以降は長いスランプに突入した。今秋リーグ戦では4試合の出場で3打数1安打。「調子を落としたのもありますが、自分の中でハードルを上げてしまっていた」。狂った歯車を立て直すことはできず、野球人生にピリオドを打つことを決めた。

 就職活動は現在も続けている。森下の活躍を「本当に嬉しいですよ。めっちゃ速かったですから」と喜び、会心の2安打を「大きな経験。今後の人生に生きてくると思う」と振り返る。相手が強大でも、全力を尽くせば、道は開ける。かけがえのない経験を財産に、ヤギローは静かにバットを置く。

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