“2代目若大将”巨人・岡本 左手一本で万感2冠弾「責任を果たせるように努力してきた」

[ 2020年10月31日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人3-3ヤクルト ( 2020年10月30日    東京D )

<巨・ヤ>原監督(左)と抱き合う岡本(撮影・吉田 剛)
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 巨人・岡本らしかった。優勝後のグラウンドでの会見。ここまでリーグトップの28本塁打、86打点で4番の責任を見事に果たしたが「いや、僕自身が言うことでは…」とはぐらかす。坂本に「言っていいよ」、原監督に「若大将、しっかり言ってください」と促される。やっと「しっかり責任を果たせるように努力してきたつもりです」と少しだけ胸を張った。

 2代目若大将としての自覚を胸に臨んだシーズンだった。野手キャプテンを任された昨年の秋季キャンプ。練習後、不満を態度に出してしまい、元木ヘッドコーチから「キャプテンなら、ああいう態度を見せるな」と注意された。12月のハワイ優勝旅行中のウエルカムパーティーでは主将の坂本に名指しで「チーム第一でやれ」とハッパを掛けられた。

 「僕がしっかりしてチームを引っ張っていかなくてはいけない。そういう意識をしっかり持て、ということだと思う」

 24歳の若き主砲に対する期待は原監督も同じだ。14年のドラフトで球団幹部やスカウト陣が投手の指名を考えている中で、指揮官自ら岡本の指名を敢行。2年連続の30本塁打以上を記録した信頼から、2月に自身の愛称「若大将」を譲った。昨年までの「ビッグベビー」から進化したレギュラー定着3年目。巨人の第89代4番は「打率、ホームラン、打点でキャリアハイを目指したい」と誓った。

 大好きなお菓子とジュースを断って5キロ減の100キロを維持。求められれば、先輩にも打撃の助言を送った。円陣では笑いを交えて盛り上げた。何よりもプレーでチームに貢献。軽い腰痛で2試合欠場した以外は不動の「4番・三塁」を守り抜いた。この日も0―1の3回に歳内の内角低め直球を左手一本で振り払うように捉え、左翼席中段へ一時逆転の2ランを放った。

 本塁打王を争う丸から「僕は足元にも及ばないと思っていますので、しっかり岡本さんのカバーをできればいい」と言われると「ずっとチームの勝ちを第一にやってきた。日本シリーズ、残り試合もそういう気持ちでやっていきたい」と応じた。頂上決戦でも打線の中心で、威圧感を与え続ける。(青森 正宣)

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