ドラフト「隠し玉」 精華・松木平 スピン直球で無名から急成長!ソフトB千賀タイプの鋭い腕の振り

[ 2020年10月10日 06:00 ]

隠し玉ハンター菊地選手の発掘ナイン

松木平優太投手(大阪・精華)
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 【精華・松木平優太投手 17歳】今ドラフト4人目の隠し玉候補を紹介します。8月の高校生合同練習会(甲子園)で初めて松木平を見たとき、こんな印象を抱きました。

 「高校時代の千賀滉大投手(ソフトバンク)も、こんな感じだったんじゃないかな?」

 愛知・蒲郡時代の千賀は無名中の無名。きゃしゃで絶対的に体の力が不足していました。それでも腕の振りの鋭さ、柔らかさは非凡なものがあり、育成ドラフト4位でソフトバンクに入団。その姿が松木平にもダブって見えるのです。

 「昭和の高校球児か?」と思うほど細いのですが、高校入学当時のサイズを聞いてさらに驚きました。1メートル63、55キロと平均的な高校球児よりも小柄な内野手だったそうです。それが1年たつごとに10センチ近く体が大きくなり、現在は1メートル80近い投手らしい上背になりました。精華は激戦区・大阪で強豪とは言いがたいですが、7月には全国屈指の強打線を誇る履正社と練習試合で対戦。松木平はその試合で最速145キロを計測。6回まで1失点に抑える好投で、一躍スカウトから注目される存在になったのです。

 合同練習会でも奥村真大(龍谷大平安)、中山礼都(中京大中京)と甲子園出場経験があるプロ注目打者から三振を奪いました。スピンが利いた直球について本人は「上から角度をつけて投げ下ろす感覚だと指に掛かってスピンが利きやすい」と語っています。

 そんな右腕は「おばあちゃんっ子」。祖母・栄子さんが作る豚のしょうが焼きが大好きで、松木平の体が大きくなった要因の一つに栄子さんの協力がありました。体調を崩して親戚の家に転居した栄子さんに、松木平は「僕がプロになったら大阪に帰ってきてね」と電話で約束したそうです。

 ハングリー精神と抜群の将来性を持ち、さらにイケメンという原石。スターになる要素は十分にそろっています。 (フリーライター)

 ◆松木平 優太(まつきひら・ゆうた)2003年(平15)2月24日、大阪市生まれの17歳。港ボーイズで内野手としてプレー。精華2年から本格的に投手に転向。今夏大阪独自大会は2回戦敗退。1メートル78、69キロ。右投げ右打ち。

 ◆菊地選手(きくちせんしゅ)1982年(昭57)生まれ。本名・菊地高弘。雑誌「野球小僧」「野球太郎」の編集部員を経て、2015年4月からフリーライターに。ドラフト候補の取材をメインに活動し、ツイッター上で「大谷翔平」とツイートした最初の人物(2010年10月8日)。野球部員の生態を分析する「野球部研究家」としても活動しつつ、さまざまな媒体で選手視点からの記事を寄稿している。著書にあるある本の元祖「野球部あるある」(集英社)などがある。ツイッターアカウント:@kikuchiplayer

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