西脇工MAX141キロ左腕・東田健臣が15Kで2戦連続完封「野手に助けられた」

[ 2020年8月1日 16:03 ]

兵庫県大会2回戦   西脇工2―0洲本(延長11回) ( 2020年8月1日    明石市・明石トーカロ )

<洲本・西脇工>11回を完封した西脇工のエース・東田(撮影・井垣 忠夫)
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 思うように投げられなくても勝つところが、並の投手ではない証拠だ。それも、3安打完封。西脇工の最速141キロ左腕・東田健臣投手(3年)が梅雨明けの炎天下で奪三振ショーを演じた。

 15奪三振のうち、11個のラストボールが直球だった。「切れ味鋭い」との評判に偽りはない。カーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップの変化球は、直球の引き立て役として申し分なかった。「最初から調子が悪かった」と四球をきっかけにして、序盤はピンチを招いたものの、決定打は許さない。延長10回から無死一、二塁から始まるタイブレークとなったが、洲本打線に最後まで本塁を踏ませなかった。

 「野手陣に助けられました。いらない四球が多かったので、修正したい」

 5厘に刈り上げた青々とした頭で、まず反省したのは7四球の制球だった。洲本とは3年連続の対戦。18年は4回戦、昨年は3回戦で当たり、敗れた。昨夏の敗戦は、先発を任されていただけに責任を感じていた。3年連続の対戦の初回、投球練習を始める前に、マウンド上でグラブを胸に当てて目をつむった。「先輩のためにしっかり投げようと思った」。雨で1週間遅れた2回戦。開いた間隔がマイナスに働いて調子は上がらなかったが、リベンジの思いは十分だった。

 打線がエースを援護したのは、タイブレークの延長11回。1死二、三塁から、3番船曳恵矢(3年)の遊ゴロの間に、相手の深めの守備位置もあって先制、4番岩佐塁(3年)の左前打で2点目を加えた。その裏、左腕は先頭への四球で無死満塁の大ピンチを招いたが、右飛と遊ゴロ併殺でゲームセットのコールを聞いた。

 東田は昨年12月、兵庫県選抜の一員として台湾遠征に参加した。今秋のドラフト候補右腕、明石商・中森俊介投手(3年)と一緒に過ごし「考え方がしっかりしている。いい刺激になった」と、レベルアップを誓うきっかけになった。卒業後は進学する。その前に、8強が上限の兵庫独自大会で足跡を残すつもりだ。現在、2戦連続完封で20イニング無失点。三振は計28個。申し分ない輝きを放っている。

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2020年8月1日のニュース