広島・堂林 1121日ぶりの本塁打「無我夢中 最高の結果になりました」

[ 2020年6月26日 05:30 ]

セ・リーグ   広島5―5巨人 ( 2020年6月25日    東京D )

<巨・広>2回2死二塁、左へ先制2ランを放つ堂林(撮影・木村 揚輔)
Photo By スポニチ

 広島は25日の巨人戦で今季初の延長10回を戦い、規定により5―5で引き分けた。2回に堂林翔太内野手(28)の今季1号左越え2ランで先制。1点を追う7回にも堂林の中前打など長短4安打で3点を奪って逆転したものの、課題の中継ぎ陣がリードを守り切れなかった。

 打った瞬間にそれと分かる当たりだった。2回2死から左翼線二塁打の坂倉を二塁に置き、堂林が待望久しいアーチを掛ける。フルカウントからの7球目、巨人・桜井の真ん中高めチェンジアップを振り抜くと、放物線を描いた打球は左翼上部の看板横を直撃した。

 「無我夢中でした。チャンスだったし、追い込まれていたので、つなぐ気持ちだけ。手応えはあったし、最高の結果になりました」

 チームに流れを呼ぶ特大の今季1号先制2ラン、今季初打点に笑顔が弾ける。堂林にとっては17年5月31日の西武戦以来、実に1121日ぶりの感慨深い一発だ。前夜は3本塁打の一発攻勢で快勝。その余韻が残るベンチは沸きに沸いた。

 「先頭打者だったので、何でもいいから出塁を心掛けました」
 逆転を演出したのも背番号7だった。1点を追う7回、先頭で2番手・沢村の内角直球を中前へ。これを起点に1死一、二塁とし、ピレラが左中間二塁打を放って同点。菊池涼の三塁内野安打で勝ち越すと、西川の一ゴロが併殺崩れとなる間に5点目を入れた。
 「一日一日、結果を残すのに必死。余計なことを考えず、相手と勝負ができています」

 苦節11年目。曲折を乗り越え、好発進した今季は再ブレークの兆しが見える。さまざまな助言に耳を傾けるあまり、目指す像を見失ってしまう姿はもうない。1号を含めこの日は2安打。今季8本目となり、過去2季の安打数を早くも超えた。

 「先発が右投手でも起用に応え、ずっと感じよくやってくれている」。堂林の活躍に目を細める佐々岡監督。一方では「5番のところがね…」と悩ましげな表情を浮かべ、開幕から低調な5番・メヒアのスタメン継続に含みを持たせた。

 「勝てれば良かったけど、全員で粘って引き分けた。負けなかったことが一番」

 今季両リーグ通じて初の延長10回引き分け。開幕からのビジター2カードを終え、3勝2敗1分なら上々だ。前を向く堂林。きょう26日からの中日3連戦(ナゴヤドーム)でも全力を尽くす…と誓っていた。(江尾 卓也) 

続きを表示

2020年6月26日のニュース