阪神ドラ3・及川 459日ぶり甲子園で2回完全投球 初勝利も「今年の目標が1軍で初勝利すること」

[ 2020年6月26日 05:30 ]

ウエスタン・リーグ   阪神4-2オリックス ( 2020年6月25日    甲子園 )

<ウエスタン 神・オ>  プロ”初登板”を“初勝利”で飾り、笑顔の及川   (撮影・成瀬 徹)     
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 阪神のドラフト3位・及川雅貴投手(19)がウエスタン・リーグのオリックス戦で公式戦初登板を果たした。高校3年の春以来、459日ぶりの甲子園で最速151キロの直球を主体に2イニングを完全投球。前日の同1位・西純に続いて初白星を挙げた。

 2イニングの最後6人目の打者・比屋根を遊ゴロに抑えると、ベンチのエアータッチに爽やかな笑顔で応えた。プロ4度目の実戦で迎えた、昨春の選抜1回戦・明豊戦以来の聖地凱旋。3回途中5失点で降板するなど苦い思い出を残したマウンドに、プロとして新たな爪痕を残した。

 「明豊戦に限らず、先輩たちと来た甲子園で自分のピッチングができていなかった。リベンジというのはまだまだこれから」

 2点優勢の7回からマウンドに立つと、先頭の4番・松井佑に対して初球にいきなりこの日最速の151キロを計測。躍動感あるフォームから、ノビのある直球を投げ込み続けた。「自分がいつも課題にしているストライク先行(の投球)が今回もできなかったけど、できない中でも無失点で抑えられたのが今回良かったことかなと思います」。三振はゼロも、打者6人すべて打ち取り、公式戦初白星が舞い込んだ。

 前日24日に3回無失点と好投した西純の投球を、バックネット裏でスコアを付けながら見つめた。「本当にここ最近で一番良いピッチングしていると分かった。負けないようにやるのが大事なことですし、これからもいいライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」。春季キャンプ中から「左右両輪で一緒に頑張りたい」と語っていた思いを、今回の甲子園3連戦でより強くさせた。

 上々の甲子園デビューに平田2軍監督は「四球もゼロでしょ、落ち着いて投げた方よ」と目を細めつつ、「まだまだこんなもんじゃないよ。もっともっとスライダーのキレもコントロールも良いし」と更なる向上に期待をかけた。及川本人も「自分の投球の軸はストレートとスライダーですけど、前回(14日・OBC高島とのプロアマ交流戦)くらいからどうしてもスライダーが抜け気味で、思っている所から低めに投げられていない」と自らの修正すべき課題を挙げた。

 最後は「今年の目標が1軍の試合で初勝利すること。なるべく早く上がって、多く投げていけたらいいかなと思います」と言い切った。輝かしい未来を想像させる大型左腕が、第一歩を踏み出した。(阪井 日向)

 ○…この日の相手先発・ドラフト1位の宮城とは中学時代の日本代表で同僚だった。「同じ左投げで、中学時代から意識する仲だった」。宮城もこの日が公式戦初登板で、最速153キロで毎回の4三振を奪うなど3回4安打2失点。「同じプロの世界に入ってもっと競争し合えるので、負けたくない気持ちはある」と及川は対抗意識を燃やしつつ、「その気持ちに惑わされずに、自分を見つめてやっていきたい」と冷静に話した。

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2020年6月26日のニュース