メジャー労使泥仕合 時間切れ寸前の妥協決着も…なお課題山積

[ 2020年6月25日 05:30 ]

 一時、選手会は交渉終結を宣言し、ロブ・マンフレッド・コミッショナーは中止の可能性に言及していた。労使の約1カ月半の泥仕合の末、7月下旬の開幕にこぎ着けた大リーグ。レギュラーシーズン60試合と10球団によるポストシーズンを10月末までに終わらせるには、この時期の決断がギリギリだった。いわば時間切れ寸前で双方が妥協した。

 米国では連日2万~3万人が新たに感染し500人以上が亡くなっている。一方、「若くて体力もある大リーガーは、感染しても重病となり命を失う危険性は低い」とみる米球団のチームドクターは少なくない。また、新型コロナウイルスは11種類以上あると言われるが、米国では一番危険なウイルスは減少傾向だという。専門家は「感染者数は増えているが死者の数は減っている」と指摘する。

 もちろん油断はできない。66、67日間で60試合を戦う過密日程。101ページに及ぶ安全規約では、選手の2日に1回の検査に始まり、細かな決まりが定められている。厄介なのは州によって法律が異なること。感染者が急増しているテキサス、アリゾナ、フロリダ州から感染者が少ない州に移動する際、一定期間の自主隔離を要するケースもある。計5球団がこの3州を本拠地とする。いまだに課題は山積している。(大リーグ担当・ 奥田秀樹通信員)

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2020年6月25日のニュース