亡命し成功を勝ち取ったドジャース・パヘス キューバ出身の男が描く次の夢「希望はいつだってある」 

[ 2025年6月10日 07:20 ]

ドジャースのパヘス(AP)
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 夢をつかんだ男は、次に叶えるべく壮大な夢を持つ。ドジャースに所属するキューバ出身のアンディ・パヘス外野手(24)について、ロサンゼルスタイムズ紙が9日(日本時間10日)、これまでの野球人生、さらに今後のビジョンなどを詳細に報じた。

 子供の頃、スポーツ万能だったパヘスが野球を選んだのは、大工だった父・リバンがバットを手作りしてくれたからだった。

 「キューバで野球を始めた頃は、状況が本当に悪くて、バットすらなかった。父は、僕が野球をできるように、いつもバットを作ってくれていたんです」

 15歳以下のリーグで打率.364、出塁率.484、長打率.581と圧巻の成績を残し、国内トップクラスのプロスペクトと見なされるようになった。そして16歳のとき、同じく有望株だったハイロ・ポマレスと共に島を出た。キュラソー、ハイチなどを経由し、最終的にドミニカ共和国にたどり着いた。

 パヘスは2018年3月にドジャースと契約。契約金は30万ドルでキューバの平均年収の1500倍以上だった。着実にステップを踏み、2024年開幕時に3Aに到達。オクラホマシティーでは15試合で打率.371、OPS 1.146、15打点を記録し、早々にメジャー昇格を果たした。そしてルーキーイヤーのうちに、ワールドシリーズ制覇を経験した。

 成功を勝ち取ったパへスだが、亡命してきたため、家族とは離れ離れの日々を送る。寂しいドジャースでの生活を支えてくれているのはテオスカー・ヘルナンデスだった。8歳上のドミニカンは兄のような存在となり、オフの日には一緒に外食に行ったり、ビデオゲームで遊んだりすることもある。

 「つらいとき、一人だと乗り越えるのが大変。誰かに寄り添ってもらって、良いアドバイスをもらって、物事は思い通りにいかないこともあるって理解できることがすごく大事です」

 ドジャースで自信と安心を得たパヘスのプレーは、確実に向上している。俊足で強肩、外野の3ポジションすべてを守れるユーティリティ性も兼ね備えている。異国での居場所をつかんだが、彼はキューバを離れたが母国のことを忘れたわけではない。

 26年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でキューバ代表としてプレーしたいと希望している。将来的には家族をアメリカに呼びたいとも考えている。ただ、その夢は先週、トランプ大統領がキューバ出身者の渡米を制限する大統領令に署名したことで打撃を受けた。「希望はいつだってあります。ルールに従わなきゃいけないし、書類を揃えて、すべてが正しく進むようにしないといけない。僕はただ、努力している。彼らが来られる日まで、ずっと」と話している。

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