【夢のご当地オールスター・関東編】昭和の怪物、永遠の若大将…巨人の栄光再び

[ 2020年5月7日 05:30 ]

<夢のご当地オールスター>関東編
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 やはり巨人のお膝元なのか。東京と千葉を除く関東出身のプロ野球選手をチェックすると、巨人の歴代エースが顔をそろえる。

 V9時代のエース・堀内恒夫(甲府商)、昭和の怪物・江川卓(作新学院)、沢村賞3度受賞の斎藤雅樹(市川口)、そして現エース・菅野智之(東海大相模)。まさに最強ローテーションだ。

 一方、伝統の一戦のライバル・阪神も、この地域から多くの選手を獲得している。ドリームチーム入りした田宮謙次郎(下館商)、広澤克実(小山)以外にも多彩な顔ぶれが並ぶ。

 鳥谷敬(聖望学園)は出身地の東京でメンバー入りしたが、それ以外にも井川慶(水戸商)―原口文仁(帝京)のバッテリー。内野は広澤に元監督の安藤統男(土浦一)、大山悠輔(つくば秀英)、今成亮太(浦和学院)。外野も田宮に加え、85年日本一メンバーの佐野仙好、捕手、代打で活躍した狩野恵輔(いずれも前橋工)、竹之内雅史(鎌倉学園)と魅力的なチームが出来上がる。大山が名実ともに、この地区を代表する選手になる日が待ち遠しい。

 今回のチームは江川と原辰徳(東海大相模)が中心になる。高校時代から異次元の存在にいた怪物が投じるホップするようなストレートを、古今東西の名打者がどう打つのか、興味は尽きない。

 江川と原は3歳違いで、ほぼ同世代。「空白の1日」での巨人入りとなった江川は、下位打線に痛打を浴びることで「手抜き」と批判され、原もONとの比較で「勝負弱い」という評価を受けた。巨人のエースと4番が背負う宿命と戦い続けた2人が、再び輝く瞬間が、このチームの醍醐味(だいごみ)だろう。

 外野の一角に陣取る田宮は、二刀流としてプロ通算12勝、106本塁打をマーク。58年には打率・320で長嶋茂雄の3冠王を阻止する首位打者を獲得。84年からは阪神OB会長を務め、ご意見番として発言をしてきた。ヤクルト、巨人、阪神でプレーした広澤は、野村克也、長嶋、星野仙一という名将の下で4番を務めた長距離砲だ。

 一塁に入る飯田徳治(浅野中)は南海、国鉄でプレー。勝負強い打撃と俊足で、55年にはMVP。南海の5度のリーグ優勝に貢献した名選手。西鉄黄金時代の遊撃手・豊田泰光(水戸商)は高卒1年目で27本塁打を記録。56年には首位打者を獲得し、日本シリーズで巨人を下し、MVPに輝いている。現役からは今年、レッズ入りした秋山翔吾(横浜創学館)がメンバーに加わった。

 監督は茨城出身で広島、西武、ダイエーでチーム強化に手腕をふるった「球界の寝業師」根本陸夫(日大三中)の登場だ。チームのマスコットキャラクターは野球漫画の名作「タッチ」の作者・あだち充(前橋商)の手に任せたい。(鈴木 光)

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