エンゼルス・寺田トレーナー語る “人を読む力”の重要性 第2回オンライントークショー

[ 2020年5月3日 12:14 ]

 エンゼルスのトレーナー兼マッサージセラピストの寺田庸一氏(42)が1日(日本時間2日)、ビデオ会議アプリ「Zoom」で第2回オンライントークショー(The Stadium主催)を開催した。同社の代表取締役を務める山田晃広氏とともに国内のトレーナー志望者らにメジャーリーガーのメンタル面やコンディショニングの重要性などについて語った。

 寺田氏は11年に高橋尚成氏のトレーナーとしてエ軍入り。高橋氏が移籍後もエ軍に残り、現在はプホルス、トラウト、大谷ら主力選手のケアを担当している。試合前や試合後の選手のコンディショニングで常時、10選手くらいに対し、治療やケアを施している。選手との付き合い方については、「選手はみんなリラックスした状態で受けたい。会話を楽しみたい選手もいれば、“無の世界”に入りたい選手もいる。治療中に音楽をがんがん流す選手もいる。人それぞれなので、裏方をやっていく上で“人を読む力”は大事。どの国の選手に対してもそれは同じ」と自身の考えを語った。

 特に昨季3度目のア・リーグMVPに輝いたトラウトとは、メジャーデビュー時からの付き合いで「彼は試合前も試合後も一定のテンションで変わらない。野球に関して緊張しているところはあまり見たことがない」とメンタル面の強さを強調。一方で、2019年開幕直前に12年総額4億2650万ドル(当時約477億6800万円)で2030年までの契約延長に合意した際に本拠地でファン公開型のスピーチをした時のことを振り返り「さすがにあの時は緊張しているように見えましたね。人前で話すのはあまり得意じゃないと思うので」とスーパースターの裏側を明かした。

 また、日本選手と外国選手の体の違いについても言及。「人種が違うので体格、体質は違う。田中選手(ヤンキース)、ダルビッシュ選手(カブス)、大谷選手(エンゼルス)など米国に来る最近の日本選手は体が大きいが、元々小さい人が筋力をつけても外国選手のように大きくなれない。それなら、器用さやバランス能力など彼ら(外国選手)がもっていないところを伸ばしたほうが勝負できる」と語った。当然、メジャーリーガーのウエートトレーニングへの意識は高く「試合前か試合後に行うかは人それぞれですが、何もやらないという選手はいません。主力はシーズン中でも決められたオフがあるので、そういう日に向けて(普段より負荷の大きい)トレーニングメニューを組むことはあります」と説明した。

 また、一般的にメジャーのチームの練習時間が短いとされることについては「練習時間は短いですが、キャンプ中だと同時にグラウンドを3、4面使っているので内容は日本と同じか濃いくらいだと思います。例えば、4カ所へのノックで日本はノッカーが1人でも、こちらでは4人いるので、練習時間が1/4で済みます。MLBの練習に無駄な時間は少ないと思います」と説明した。

 寺田氏の次回オンライントークショーは9日午後2時から開催予定。株式会社The Stadiumは「スポーツと教育を通じて人生をより豊かにしていく」ことを掲げ、世界に通用するスポーツトレーナーの育成をサポートしている。

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