オリックス・ドラ1宮城 新決め球フォーク さらなる進化へ

[ 2020年5月3日 05:30 ]

オリックスドラフト1位の宮城大弥
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 オリックス・宮城は、来たるべき1軍マウンドに備えて牙を研ぐ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、開幕日も決まらない異常事態で迎えたルーキーイヤー。公式戦登板はないまま自主練習期間となったが、選手寮がある大阪・舞洲の球団施設で新球習得に着手するなど意気込みは、十分に伝わってくる。

 「フォークの練習をキャッチボールの中で、するようになりました。決め球の落ちるボールとして、使えるようにしていきたい」

 プロ仕様の新スタイルを求める。興南時代は最速149キロの直球にスライダー、カーブ、チェンジアップが持ち球。実は今年1月の新人合同自主トレの時点で、フォークの他にカットボールやツーシームなど打者の手元で変化する新球種の獲得に興味を示していた。理由を尋ねると興味深い答えが返ってきた。

 「アウトが全部三振では体力が持たないので」。プロの強打者たちと対峙(たいじ)する前から、既に空振りを奪うイメージはできていた。18歳の思考は完投や完封、さらに、その先を見据えていたのだ。

 大器の予感はマウンドでも漂った。プロ初登板だった3月20日の大商大との練習試合。自己最速を1キロ更新する150キロをマークするなど、1回を3者連続三振に斬る完璧デビューだった。2月の春季キャンプでは長期的な育成方針のもとブルペンで球数を制限されただけでなく、走り込みを徹底。ロッテ・佐々木朗ら同世代の好敵手が注目される中、独自調整を貫いてきた。

 沖縄出身の天然キャラ。報道陣に「プロ野球って1年180試合くらいですか?」と逆取材してきたこともある。マイペースな内面も大物の片りんか。ウエスタン・リーグを含め開始時期は不透明だが焦りはない。「まずは試合で投げることを目標に頑張っていきたい」。将来の左腕エースへ着実に段階を踏んでいく。(湯澤 涼)

 ≪「世代No・1左腕」の声も≫興南では1年春からベンチ入り。1、2年時に夏の甲子園大会出場。鮮烈な印象を残したのは3年夏の沖縄大会決勝の敗戦だった。延長13回を1人で投げ抜く229球の熱投で、全6試合で計46回61奪三振。U18W杯でも救援した米国戦で9回の1イニングを3者三振に仕留めるなど奪三振能力は高く「世代No・1左腕」の声も挙がる。「全体的なレベルアップを目標に練習しています」と宮城。1メートル72と小柄だが、大舞台で躍動する日は近そうだ。

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