プロ野球開幕5・8浮上 藤浪らコロナ感染で…4・24目指すも「こだわるわけではない」

[ 2020年3月28日 05:30 ]

セ・リーグ理事会に臨む阪神の谷本修球団本部長(右から4人目)と嶌村聡球団副本部長(同3人目)(撮影・小海途 良幹)
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 4月24日の開幕を目指しているプロ野球が、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、5月開幕の準備を本格的に始めることが27日、分かった。この日は都内でセ・リーグの臨時理事会が開かれ、阪神から3選手の感染した経緯や対応について報告を受け、各球団で情報を共有したが、首都圏での感染拡大も深刻さを増している。5月8日を筆頭にシミュレーションを重ね、さらなる事態の悪化に備える。

 12球団が最も恐れていた選手からの感染者が、一気に3人も生まれてしまった。阪神はチームを1週間停止させることを即断したが、日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長は「これをきっかけに考えることはない。今は24日開幕を目指す」とした上で「コミッショナーも言ったが、完全にこだわるわけではない。目指すということで準備を進める」と話した。目標は変えないが、慎重な言い回しだった。

 この日は都内でセ・リーグの臨時理事会が開かれた。陽性者が出たための開催ではなかったが、阪神はチーム内に陽性者が出た際の対応を報告。4・24開幕についての議論は、4月3日の12球団代表者会議で行うため、決定事項はなかった。ただ阪神・谷本修球団本部長は「いろいろなシミュレーションをしました。(24日以降の開幕も?)もちろん」と開幕がさらにずれ込んだ際への備えを進めることを示唆した。

 最初の候補に挙がるのが5月8日だ。既に5割減以上、最大7~8割減ともなる入場制限を見込み、ゴールデンウイーク開催にこだわる必要がない。逆にその期間は政府や自治体から何らかの移動禁止令などが下る恐れがある。同15、22日開幕も含めてシミュレーションに着手する。

 入場制限について、三原理事長は「提言に従い開催へ向け最善を尽くすと一致している」とした。ただ球場の形態や販売方式が球団で異なり、前回23日の会議で持ち帰りとなったまま、煮詰まってはいない。首都圏での感染拡大も加速している。東京都は3日連続で新規感染者が40人を超えた。東京五輪延期に伴い約3週間の中断期間に公式戦を入れられるようになり、タイトな日程にわずかなゆとりも生まれた。目指す4・24開幕が見通せない中、さらなる備えが迫られた。

《プロ野球と新型コロナウイルスを巡る動き》
 ▼2月21日 日本野球機構(NPB)と12球団が感染防止のために共通の対策を実施することを確認。

 ▼25日 巨人が29日と3月1日のヤクルト戦(東京ドーム)の無観客試合を発表。

 ▼26日 臨時の12球団代表者会議を開き、オープン戦の残り全72試合を無観客試合にすることを決定。

 ▼3月3日 Jリーグと連携して「新型コロナウイルス対策連絡会議」を設置し、第1回会合を行う。

 ▼9日 第2回対策連絡会議で開幕延期の助言を受け、臨時の12球団代表者会議で延期を決定。

 ▼12日 新たな開幕日を4月10日以降で検討と発表。

 ▼20日 当初の開幕予定日を迎え、無観客の練習試合4試合を行う。

 ▼23日 12球団代表者会議で4月24日の開幕を目指すことを決定。練習試合も一定期間中止にすると発表。

 ▼24日 東京五輪の1年程度の延期が決定。

 ▼26日 阪神・藤浪、長坂、伊藤隼の3選手がPCR検査を受け、新型コロナウイルスの陽性反応。

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