阪神・ボーア 5試合ぶりタイムリー!「自分に腹が立っている」と発奮

[ 2020年3月22日 05:30 ]

練習試合   阪神5―6ヤクルト ( 2020年3月21日    神宮 )

<ヤ・神>6回2死一、二塁、中前適時打を放つボーア(撮影・椎名 航)
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 阪神の新外国人、ジャスティン・ボーア内野手(31=エンゼルス)が21日、ヤクルトとの練習試合(神宮)でエース格の小川から中前適時打を放った。オープン戦を含む対外試合では本塁打はもちろん、長打も出ない状況が続くが「欲しがれば欲しがるほど苦しむ」と経験に基づく持論を披露。開幕日が決まらないこともあり、メジャー通算92本塁打の4番候補は、じっくりと調整し、本領発揮していく。

 豪快な放物線……とはいかなかったが、スピンの効いたライナーを中前に弾ませた。「4番DH」で先発したボーアは6回2死一、三塁の好機で相手先発の小川と3度目の対峙(たいじ)。2ボール1ストライクから外角への速球を捉えた一撃は二塁ベース後方に極端なシフトを敷いていた遊撃手の頭上を越えた。

 「前の打席(外寄りのフォークで空振り三振)でタイミングが早すぎると感じたから、できるだけ手元に呼び込んで、ボールをさらによく見て打つよう心がけていたよ」

 三塁走者の植田の生還を確認するとホッとしたような表情を浮かべ、三塁ベンチに向け右手のひらを広げるポーズを見せた。8日の巨人戦以来、出場5試合ぶりの打点でもあった。

 「それよりも第1打席。1アウトで三塁にランナーがいる時は少なくとも本塁に還さないといけない。やるべき仕事ができなかった自分に対して、すごく腹が立っている」

 普段はジョークを交えて報道陣を笑わせる陽気な性格だが、この日だけは神妙だった。初回1死一、三塁の先制機で浅い左飛に倒れ、タッチアップを試みた三塁走者の糸原も本塁憤死。左翼手・塩見の好返球に阻まれた形だが「自分に腹が立っている」と繰り返すほどに猛省。役割を自覚しているからこその言葉は、チームにとっても今後の上昇に向けた材料になるはずだ。

 本来なら、この日は開幕2戦目。いまだに対外試合における長打、本塁打はない。かといって、悲観的になっているわけではない。

 「キャリアの中でこれだけホームランを打ってきて、欲しがれば欲しがるほどなかなか出ない、苦しくなるということが分かっている。フライを打てばいいということでもない。微調整は続けるけど、自分のやり方を大きく変えずにやっていくことが大事さ」

 ここまでくると、豪快なアーチを期待する周囲はさすがに心配になる。それでも、メジャー通算92本塁打を誇りシーズン20発以上を3度記録した経験から、冷静な自己分析はできている。開幕が延期された時間を有意義に過ごし、シーズンでは相手に絶望を与え、味方に歓喜をもたらす放物線を描いてくれるはずだ。(巻木 周平)

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2020年3月22日のニュース