幻のセンバツ開幕日…花咲徳栄「区切り」の手作り開会式 学校で本番さながら行進&高らか校歌

[ 2020年3月20日 05:30 ]

<花咲徳栄練習>本番さながらの入場行進を行う花咲徳栄ナイン(撮影・西尾 大助)
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 新型コロナウイルス感染拡大で史上初の中止が決まった第92回選抜高校野球大会に4年ぶり5度目の出場予定だった花咲徳栄(埼玉)が19日、埼玉県内の同校で「模擬開会式」に臨んだ。本来開幕するはずだった日に、甲子園の土は踏めなかったが、教職員や関係者による手作りの式典でユニホーム姿のナインは堂々行進。校歌を歌って区切りとし、夏への再スタートを切った。

 甲子園で予定されていた開会式の時間と同じ午前9時だった。教職員ら約50人が見守る中、本番さながらの「開幕」を告げるファンファーレがスピーカーから鳴り響く。行進用にアレンジされた「パプリカ」に合わせ、甲子園用の背番号がついた公式戦用ユニホーム姿のナインが歩みをそろえる。選抜旗を持った井上朋也主将の後に続き、右翼から行進した。行進後、本塁を背に整列。甲子園の勝利チームさながらに「風にさそわれ集いし我ら…」と高らかに校歌を歌い上げた。

 岩井隆監督は「歩いてくる姿を見て、涙が出そうになった」と込み上げる思いを口にした。11日に中止が決まり「甲子園がいかに大事な目標なのかということを深く考えてほしかった。中止で簡単に終わらせてほしくなかったし、節目は大事。節目が多い人間は強くなれる」との思いから、ナインへ「やろうか?」と模擬開会式を提案。選手も「お願いします!」と即答した。

 15日には校内のホールで模擬抽選会も開催。本番と同じ抽選方法で32人の部員が各出場校代表としてくじ引きもした。休校中のためアナウンスは女性教諭が担当。田中一夫校長が大会会長役として立ち会った。選手にユニホームが配られたのは前日だった。

 急ごしらえながら関係者が一丸で整えてくれた手作りの舞台。温かい拍手の中、大舞台で野球がしたかった気持ちに、けじめをつけた。式後、センバツ用に新調したリュックを背負い「ベンチ入り」し紅白戦を戦った。控え中心のチームがレギュラーチームにサヨナラ勝ちと白熱した。井上主将は「どれだけの方々に支えてもらって野球ができているかということに気がつけた。感謝しています。一つの区切りとして全員で夏に向かって励んでいく」と話した。埼玉大会最長更新の6連覇が懸かる夏。感謝の思いと全ての力をぶつける。(松井 いつき)

 ≪自身も大会中止…ボクシング部高橋さん先導≫本番でもプラカードを担当する予定だったボクシング部の高橋美波さん(2年)が行進を先導した。休校中だったが学校側の配慮で登校。昨秋全国大会を制し、学業優秀で大役を任された。「プラカード担当になってうれしかった。(中止は)残念だったけれど野球部の皆さんは切り替えている」。自身も選抜大会が中止となったが「私も気持ちを新たにやりたい」と笑顔で前を向いていた。。

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