阪神・福留 高校球児の再出発にエール「もう1回奮起して、頑張って夏に」

[ 2020年3月13日 05:30 ]

打撃練習をする福留(撮影・坂田 高浩)
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 阪神の福留孝介外野手(42)が12日、中止になった選抜高校野球大会に出場予定だった高校球児を思いやり、エールを送った。自身はPL学園3年だった95年に「阪神淡路大震災」の影響で開催が危ぶまれる中で出場できた経験を持つ。高校生の悔しさを我が事のように受け止めながら、夏に躍動してくれることを期待した。

 通常の練習日は多くを語らない大ベテランが、足を止めて約5分間、思いを口にした。前日11日に決定した選抜の中止。PL学園時代、高校野球のヒーローとして全国にその名をとどろかせた福留にとっても、ショッキングな出来事だった。

 「難しいというか…。そういう決断をされた側もね。やっぱり1番は決まっていた高校の球児たちは本当に残念だと思う。なかなか簡単にコメントできることではないけど“何らかの形で(救済措置を)”と高野連の方々も言われているし、何かそういうことがあってもいいかなと思う」

 皮肉にも、この日の練習は晴天に恵まれた甲子園球場で行われた。本来なら1週間後には、ここだけを目指して苦しい練習を積んできた高校球児たちが躍動するはずだった聖地だ。応援団が野太い声で熱いエールを送り、チアリーダーがスタンドに花を添える。そんな晴れ舞台が史上初めて中止となり、野球に人生をささげてきた一人として心を痛めた。

 選抜には、福留自身も忘れられない思い出がある。3年生を迎える95年1月17日に「阪神淡路大震災」が発生。兵庫県が甚大な被害を受けたことで、開催の可否に賛否両論が起こり、決定したのは2月17日だった。大会の目玉選手だった福留は当時を「被災者のことを考えると『プレーしたい』というだけじゃいけないと思った」と明かしている。

 「僕らも高校の時に震災があって、どうなるかと。僕らの時は行われたけど、その時も本当に周りの方々がどれだけの苦労をして開催してくれたか」

 甲子園が全てだったと言っても過言ではない自身の高校時代。それだけに、球児の辛さは痛いほど分かる。その上で、大先輩として熱く、強く激励した。

 「残念だと思うし、悔しいと思う。それをまた一つの自分の糧としてね。ここでもう1回奮起して、頑張って夏に。そういう高校球児を見たいという思いがすごくあるし、楽しみにしているんで」

 自身はいつになるかわからない開幕に向け調整を続ける。満員のスタンドで野球ができるありがたさを改めて痛感し、今季も球児の、若虎の、模範となるプレーを見せる覚悟だ。(山添 晴治)

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