広島・大瀬良 黒田氏、マエケンから受け継ぐ“エース道” 形を変えながら次世代へと…

[ 2020年1月20日 09:00 ]

広島の大瀬良
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 テレビ会見での締めの言葉に引っかかった。「安定して信頼してもらえるような投球をしたい」。年始6日に自主トレを公開した広島・大瀬良大地投手(28)のコメントである。この一言を素直に受け取れば、自身はまだ信頼を得ていないという自己評価になる。

 「最初にマエケンさん、黒田さんを見て(エースの姿を)学ばせてもらった。共通して言えるのは、ここぞで勝てる、ふたりで負けたら仕方ないと思ってもらえる投手。周りからエースと呼ばれるのはそういう人」

 大瀬良が黒田博樹氏(44)の名前を挙げるのは、何度目になるだろうか。18年から登板直前のロッカールームで、好投の場面だけを集めた約4分間の映像を見てからマウンドに上がっている。「あのおかげでポジティブな気持ちで試合に入れる」。このルーティンをつくったきっかけがあった。

 「黒田さんが毎回試合前に携帯を見ているから何かな…とずっと思っていた」

 16年オフからは、同氏が師事した動作解析の専門家、手塚一志さんのもとでトレーニングに励んでいる。18年に採用した左腕を高く上げる新フォームも同氏を参考にしたものだった。

 同氏が現役引退を公言していた16年の日本シリーズ後、同僚が色紙でそれぞれの思いをつづる本紙企画で、大瀬良は「聞いて見て学ぶこと、たくさんのことを教えていただきました。黒田さんの人柄、プレーヤーとしての姿を目標にして頑張ります」と記していた。大先輩の背中を知っているからこそ、たやすく自らをエースと口にできないのかもしれない。

 年が明け、大瀬良は床田にLINEを送った。「一人で練習するなら一緒にやろうよ」。1年目オフから前田健太(現ドジャース)と合同自主トレを行い、17年オフから独り立ち。そして、今オフは後輩を自らの練習に誘う役回りに変わった。床田は「気にかけてくれているのだな…とうれしかった。期待を裏切りたくない」と言った。男気ある先発イズムは、形を変えながら次世代へと受け継がれている。(記者コラム・河合 洋介)

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