日本ハム 東京五輪からドラフト指名!? 吉村GMが陸上十種競技・右代に関心「いい球投げてる」

[ 2019年12月31日 05:40 ]

右代啓祐(撮影・小海途 良幹)
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 日本ハムが来秋ドラフトで、早大ソフトボール部出身の大嶋匠(11年7位、18年引退)以来の異色指名を行う可能性が出てきた。吉村浩GM(55)は来年の東京五輪中継を録画して、野球の素質のあるアスリートをチェックする考え。地元・北海道出身の陸上十種競技の第一人者・右代啓祐(33)には具体的関心を示した。

 吉村GMは「いい球を投げているよね」と言った。何と右代が投球する動画を「見たことがある」という。

 14年8月に日本ハムが道産子アスリートを始球式に呼んだ。右代は1メートル96の長身で野球経験がないのに、最速は141キロと語っていた。15年7月に横浜スタジアムで務めた始球式では133キロを計測。最近も自身のツイッターにグラブをつけて投球練習する動画を「もっと速い球投げたい」というコメントとともにアップしている。

 ソフトボール出身で硬式野球経験がなかった大嶋は7年間で1軍出場15試合、本塁打なしでプロ野球に別れを告げたが、打球を飛ばす力自体には見るべきものがあった。吉村GMは、こうした他競技選手のドラフト指名について「可能性は常にある」と言い切る。スーパーアスリートが一堂に会し、右代も3大会連続出場を狙っている東京五輪も「録画して見る」という。

 右代が戦う十種競技の一つにやり投げがある。吉村GMはオリックス・山本がやり投げトレーニングを取り入れて昨季、今季の好成績につなげたことに興味があった。「高校時のスカウティングで我々は山本君をそこまで評価していなかった。何かの発見がやり投げによってあったのかもしれない」。だから、ドラフト対象には「右代選手に限らず、やり投げをやっている高校生だって可能性を考えていい」と話す。

 「野球の常識も変わってきているから」と吉村GM。野球をする子供の減少は著しく、プロ野球も別の「入り口」を本気で考える時代なのかもしれない。(和田 裕司)

 ◆右代 啓祐(うしろ・けいすけ)1986年(昭61)7月24日生まれ、北海道江別市出身の33歳。札幌第一3年時に八種競技で全国総体2位。国士舘大を卒業後、11年にスズキに入社。同年6月に十種競技で日本人初の8000点超えとなる8073点の日本新記録をマーク。日本記録保持者(8308点)で12年ロンドン、16年リオ五輪に出場し、いずれも20位。1メートル96、95キロ。

《過去の異色選手》
 ☆飯島秀雄(陸上五輪代表)
 東京、メキシコの両五輪陸上100メートル代表で元日本記録保持者。68年、ロッテから9位指名されて入団。3年間の現役生活で通算23盗塁をマークした。
 ☆市場孝之(大相撲)
 中学時代に野球と相撲を掛け持ち。卒業後、大相撲の佐渡ケ嶽部屋に入門し、元序二段。2年間のロッテ球団職員を経て、91年に7位で指名。1軍出場なし。
 ☆日月鉄二(やりなげ)
 87年秋の沖縄国体やり投げで6位入賞。同年ドラフト外で投手として西武に入団したが、外野手に転向した。1軍出場なし。
 ☆大嶋匠(ソフトボール)
 早大では日本代表の主砲を務め、通算80本塁打。11年ドラフト7位で日本ハムに指名された。7年間で通算15試合に出場し、18打数3安打(打率.167)。18年に現役を引退。

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