虎番×SNS連動企画「ファンが選ぶMVP」近本が文句なし年間大賞に

[ 2019年12月31日 05:30 ]

スポニチ虎番SNSとの連動企画「ファンが選ぶ月間MVP」年間大賞に輝いた阪神・近本
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 SNSとの連動企画「ファンが選ぶ月間MVP」の年間大賞の投票がTwitterで行われ、近本光司外野手(25)が1950票を集めて1位に輝いた。セ・リーグの新人シーズン安打記録を塗り替え、盗塁王に輝くなど鮮烈デビューを飾った切り込み隊長。投票してくれたファンへの感謝を述べたと同時に、今季の活躍を自己分析した。(取材・構成 巻木 周平)

 盗塁王やセ・リーグ新人特別賞。この1年で数々の賞を獲得した近本がSNSユーザーによる選出には特別な感情を抱いていた。

 「僕もSNSを使っていて、自分の思いや考えを伝えていこうと思っている。そういう意味ではTwitterをしている方々から選んでいただいたことはうれしいです。ありがとうございます」

 開幕スタメンを勝ち取り、159本の安打を積み上げ、リーグトップの36盗塁を記録した。新人として文句なしの活躍を見せた1年目。知られざる苦悩との戦いを振り返る。

 「最初は成績や数字を気にせず自分のやるべきことに意識を置いていました。でも、次第に数字を追ってしまう自分が出てきて。特に5月、6月はその傾向にありましたね」

 打率・327と好スタートを切った3、4月を過ぎ、5月(・283)、6月(・179)は壁にぶつかった。息つく間もなく訪れる本番の連続に自分のスタイルを見失っていた。暗中模索の日々を抜け出すことができた主因に挙げたのは、夏場のある出来事だ。

 「筒香さんと話す機会があって、“シーズンは長いから、このカードで打てなくても自分を見失ってはいけない”と言っていただいた。考え方がシンプルになりましたね」

 対戦相手として凄さを実感し、お手本にしていた1人だった。「どんな場面でも考え方が一貫している」。狙い球に迷わずフルスイングするスタイルは追い込まれていても不変。その分、狙いが外れた時の見逃し三振のリスクはあるが、「それが凄い」と言う。

 「狙い球は仕留める、ボール球は選ぶ、そうじゃなければ見逃し三振でも仕方ない。そのメンタルを本番で貫くのは凄く難しいけど、10割がない打撃では大事な考え方だと思うんです」。体現している男からの助言はスッとふに落ちた。

 アッサリしている、執念が見えない、と思われがちな見逃し三振を恐れず143試合を俯瞰(ふかん)的に捉えて戦った。ある意味「新人らしくない」プレースタイルの源泉になり、結果につながった。

 「来年はどうなるか分からない。周りから求められることはあるけど、それ以上に自分の良さを考えて、突き詰めていきたい」

 新人というフィルターが外れ、真価が問われる2年目。我が道を突き進み、さらなる高みを目指していく。

 《近本に投票した理由は?》
 寄せられたファンの声を一部、紹介する。

 『だい』さんは「近本選手の活躍なしでは3位になれませんでした」と言い、『掛布タイガース31』さんは「彼が、もし入団していなかったらと考えるとゾっとします」。『斗来(トキ)』さんは「盗塁王に新人特別賞。今年の阪神タイガースにとってなくてはならない存在でした」。逆転CS進出に欠かせなかった…という声が集中した。

 さらにはこんな声も。「シーズンを通して大きなけがをしなかったことが一番凄いと思います。第二の鳥谷と言われるような選手になって欲しいです」(『なにわboy』)。戦線離脱することなく戦い抜いた姿に“鳥谷2世”を期待するファンもいた。

 ○…アンケートは当企画におけるレギュラーシーズン期間の「月間MVP」受賞者6人に西、藤川を加えた8選手を対象とし、遠藤、巻木両記者のアカウントで投票を受け付けた。計8305票が集まり、2位は1852票で梅野。藤川、ジョンソン、西、岩崎、原口、高橋と続いた。

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2019年12月31日のニュース