【19年物故者追悼】“かねやん”金田正一さん 空前の400勝に戦友・張本勲氏「あっぱれ」

[ 2019年12月30日 05:30 ]

国鉄、巨人で投手として活躍し、通算400勝を達成した金田正一さん
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 2019年は新たに「令和」の時代を迎えた。プロ野球ではセは巨人、パは西武が優勝。一方で日本シリーズではソフトバンクが強さを発揮して3連覇を成し遂げた。そんな球界では通算400勝の伝説的左腕・金田正一さんが10月6日、急性胆管炎による敗血症のために86歳で死去。また、陸上界や相撲界など他のスポーツ界からも訃報が届いた。

 巨星墜(お)つ。昭和の球界で数々の伝説を残した金田正一さんが亡くなったのは10月6日。同じ時代を生きた張本勲氏(本紙評論家)は「日本のプロ野球の歴史を見ても100年、200年と出てこないレベルの投手でしょう」と偉大な「戦友」の死を悼んだ。

 初対戦は張本氏が東映入団2年目の1960年7月25日、川崎球場でのオールスター第1戦。「群を抜いていた。あれだけ速いボールは見たことがなかったし、170キロ近く出ていたんじゃないか」。直球、直球、カーブで3球三振だった。金田さんは当時国鉄の大エース。リーグは違ったが「よくけんかをした。兄弟げんかみたいなものだったなあ」。金田さんは「こいつだけだ。俺に向かってくるのは」と笑いながら言っていたという。

 ロッテ監督時代の乱闘劇など豪快なイメージもあった金田さんだが、張本氏は「繊細で優しい人だった」と言う。こまやかな神経の持ち主で、体のメンテナンスにお金をかけるなど先進的な思考は球界の先駆けでもあった。

 来年1月21日には、都内でお別れの会が行われる。「みんなで集まって思い出を語ってね。手を合わせてきますよ」と張本氏。前人未到の400勝。その偉業は永遠に語り継がれる。

 (10月6日、享年86 元国鉄、巨人投手、ロッテ監督、急性胆管炎による敗血症)

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2019年12月30日のニュース