ソフトB・千賀“ほぼ倍増”3億円!エース査定で育成出身2人目「濃い一年」

[ 2019年12月24日 05:30 ]

3億円突破に笑顔を見せる千賀(撮影・岡田  丈靖)
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 エース査定で大台到達!ソフトバンクの千賀滉大投手(26)がヤフオクドーム内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1億4000万円増の3億円プラス出来高払いでサインした。今季は4年連続2桁勝利となる13勝をマーク。初の最多奪三振のタイトルを獲得するなどした成績面に加え投手陣の柱としてチームを支えたことも評価され、大幅アップを勝ち取った。

 ほぼ倍増での大台到達に頬を緩めた。育成ドラフト4位で入団した千賀の11年の年俸は270万円。18年に1億2500万円で育成出身では球団初となる1億円を突破し、10年目の来季はついに3億円にまで到達した。

 「最大限の評価をしてもらった。来年一年、責任感を持って過ごす覚悟ができた。チームはリーグ2位だったが、日本一に貢献してくれたと言われた。また、数字や成績以外のチームの中での立ち位置を評価してもらった」

 今季はケガで離脱することなく、シーズンを通して先発ローテーションを守った。13勝(8敗)で4年連続2桁勝利をマーク。投球回を180回1/3まで伸ばし、防御率は前年の3点台から2・79と良化した。9月6日のロッテ戦(ヤフオクドーム)では自身初で令和初となるノーヒットノーランを達成。キャリアハイの227奪三振でタイトルを獲得し、初のベストナイン、ゴールデングラブ賞にも輝いた。

 「濃い一年を過ごして、良い経験ができた。1年間ケガなく回ってきた分、リーグ優勝できなかったのが余計に悔しい」

 エースの風格も出てきた。秋季キャンプでは積極的に若手と交流し、助言を送った。交渉の席では、キャンプで1軍中心のA組と若手が多いB組の交流の場を増やして欲しいと提案。自身もかつてのエース斉藤和巳氏から刺激を受けた経験を持ち、継承すべき“球団の財産”を訴える。「エースという言葉から逃げる性格だが、言い聞かせながら。責任感ある数字をいただいたので、しっかり勝っていけるようにやっていきたい」と力を込めた。

 2020年は東京五輪。「五輪の舞台に立つチャンスは(滅多には)ない。選ばれるのは貴重で奇跡なこと。日の丸を背負いたい思いはある。良いスタートを切れるように準備したい」と千賀。チームの柱として、そして侍ジャパンのエースとしても腕を振る。 (後藤 実穂)



 《育成では山口鉄以来2人目の大台》 千賀(ソ)が1億4000万円増の3億円で契約を更改。育成ドラフト出身選手では14~17年山口鉄也(巨)の3億2000万円に次いで2人目となる3億円の大台に到達を果たした。また、1億4000万円増は前記山口の1億2000万円増(13年)を抜く育成ドラフト出身者の最高アップ額となった。

 《今年もメジャーの気持ち伝えた》 千賀は17年オフから球団に訴えているポスティング・システムによるメジャー挑戦についても、交渉の場で気持ちを伝えたことを明かした。報道陣に手応えなどを問われても「ノーコメント。察してください」と淡々。1月には後藤芳光球団社長らと話し合いを行っており「今後も話し合いの場を設けてもらえるのであれば。僕は気持ちを伝えているだけ」とし、三笠杉彦GMは「継続して話し合っていく。我々としては大きく方針を変えていくということではない」と説明した。

 《ロッテ移籍の福田は「抑えたい」》 千賀は契約更改交渉後の会見に左胸に白いバッジをつけて登場した。フリーエージェント(FA)でロッテへ移籍した福田の壮行会でつくられたものだと明かし「凄くお世話になったので(来季からは)抑えたい。感謝の気持ちを込めてつけました」と笑った。

 ▼ソフトバンク三笠杉彦GM 千賀はイニング数が伸びているし、同じ13勝でも今年は内容が良かった。チームを引っ張る自覚も高く評価した。

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2019年12月24日のニュース