巨人・菅野 全てをつかむまで夢封印、「日本一」奪回誓う 五輪も目指す

[ 2019年11月29日 05:30 ]

記者の質問に答える菅野(撮影・西海健太郎)
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 巨人の菅野智之投手(30)が28日、東京・大手町の球団事務所で契約交渉に臨み、現状維持の年俸6億5000万円で更改した。腰痛に苦しみながらも11勝をマーク。エースは3年連続6度目となる来季の開幕投手を通達されていることを明かし、自身初の20勝で8年ぶりの日本一奪回、さらに東京五輪出場を目指す。来オフのポスティングシステムを利用したメジャー挑戦の希望は一時封印し、シーズン後に話し合う意向を示した。 

 来オフのメジャー挑戦の可能性について問われた菅野は、率直な思いを口にした。

 「もちろん、そういうもの(夢)は変わらずに持っている。そこ(メジャー挑戦)を見据えて、来季を戦うというチームに対して失礼なことはできない。日本一を目指して、その後にいろいろ話は出てくると思う」

 今オフは最多勝に輝いた山口が球団初のポスティングシステムでのメジャー挑戦を容認され、海外FA権を取得する前にもメジャーに移籍できる可能性が出てきた。菅野が海外FA権を取得するのは最短で21年。前日には山口寿一オーナーが菅野について「(浪人生活を送ったため)1年を棒に振ってくれている。その分、海外FA権を取得する時期がずれている事情はある」と理解を示した。契約更改の場ではメジャー挑戦の話は出なかったが、菅野が来季文句なしの成績を残してチームを日本一に導いた場合、メジャー挑戦が認められる可能性はある。

 エースの目は既に来季の開幕を見据えている。宮本投手チーフコーチから開幕投手に指名されていることを明かし「12月の自主トレの時点で開幕を意識しながらやっていく必要がある。まずは開幕にピークを持っていく」と東京五輪開催で例年より1週間早い3月20日のDeNAとの開幕戦(東京ドーム)に照準を合わせる。「今年は開幕への持っていき方がうまくいかなかった」。腰痛で3度離脱した今季の反省を生かし、オフは股関節周りの筋肉の可動域を広げる練習に取り組む。

 さらに東京五輪出場への強い意欲を示した。プレミア12で世界一に輝いた侍ジャパンの戦いぶりに「凄く盛り上がっていたし、率直にあの場にいたかった」。故障で辞退したソフトバンク・千賀と「やっぱり出たいよね」と会話を交わしたことを明かし「一生ない機会。東京で五輪は競技者にとってもの凄く大きなもの」と言った。

 今季達成できなかった目標を来季も掲げる。「もう一度、20勝に挑戦する。それが一番大きな目標。(山口)俊さんがいなくなった分、勝っていかないといけない」。エースは完全復活を遂げ、「夢」も実現する。(岡村 幸治)

 《菅野過去のメジャー発言》
 ▼17年12月12日 報知プロスポーツ大賞の表彰式に出席し、初めて公の場で将来的なメジャー挑戦について明かす。「(海外FA権取得まで)あと3、4年ある。しっかり絶対的な力をつけて文句なく(メジャーに)行けるように」。
 ▼18年12月10日 東海大学医学部付属病院を訪問し、子供たちのクリスマス会に参加。メジャー挑戦について「夢はやっぱりある。野球選手である以上、上のステージに行きたいのは当たり前。そう思わない自分になる方が怖い」。
 ▼19年10月15日(国内FA権を取得も)「僕には無縁な話だと思っています。ジャイアンツが大好きで、ジャイアンツに入ることを夢見てずっとやってきた」。

 ○…菅野(巨)が来季も開幕投手を務めると3年連続6度目。巨人では上原浩治の7度に次ぎ堀内恒夫、斎藤雅樹に並ぶ。また、開幕投手で白星なら14~16年に次ぐ4勝目で、別所毅彦と前記斎藤に並ぶチーム最多となるがどうか。

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