【巨人・阿部 独占手記】“うつ”っぽかった自分を救ってくれた原監督は恩人

[ 2019年9月22日 07:00 ]

巨人5年ぶりリーグ優勝

リーグ優勝を決め、涙を流す原監督(右)と阿部(撮影・小海途 良幹)
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 巨人・阿部慎之助捕手(40)が、原監督とともに自身8度目となるリーグ優勝の歓喜に浸った。プロ19年目を迎えた今季は4年ぶりの捕手復帰を目指したものの、故障などで断念。代打や一塁手として出場し、6月には巨人では王貞治、長嶋茂雄の「ON」に続く3人目の通算400本塁打を達成した。スポニチ本紙に独占手記を寄稿し、原監督への感謝の思いを語った。

 いやあ、うれしいね。こんなに終盤までもつれることがなかったから。一番うれしいのは主将5年目で初めて優勝した勇人(坂本)だと思う。優勝してもっと自分に自信がつくし、もっと野球人として大きくなれるはず。

 「これから長いシーズンが始まるけれど、おまえさん、将来のために自分が監督だと思って野球を見なさい」。開幕直前のマツダスタジアムでの練習中、打撃ケージの裏で原監督にこう言われた。だから今年は、代打の準備をするまでは、ここどうすんだろう、監督なら動かすのかなとか。原監督は悩まずにパンと代えて、代打が的中。すげえなと思いながらベンチに座ってた。

 原監督にお願いして4年ぶりに捕手復帰して臨んだシーズン。キャンプがしんどかった。自分の思っていた2割しか体が動かなくて、かっこわりいなと自分を責めちゃったんだろうね。寝つけなくてお酒も飲んでいないのに、毎日二日酔いみたいな顔をしていたと思う。

 病んでた。ちょっとうつっぽかった。そんなとき、水泳の萩野公介君の休養宣言のニュースを見て、気持ちがすげえ分かるわと思った。彼も注目されて、でも全然結果が出なくて。俺も自己嫌悪ばっかりで正直、野球どころじゃなかった。

 3月中旬には左ふくらはぎをケガして2軍行きになった。そのとき、原監督から「自分でキャッチャー戻ると言って、プレッシャーをかけすぎちゃったか。気楽にいこうぜ」とLINEをもらった。凄い救われたよね。

 俺が無理やりキャッチャーをやるのが、チームのためなのかと。銀ちゃん(炭谷)も誠司(小林)も大城もいる。監督が代打や一塁で使うと言ってくれているのなら、そっちの練習をちゃんとしようと。そう思ったら気持ちも楽になった。

 原監督は恩人。1年目はヘッドコーチ、2年目からは監督として一緒にやらせてもらって、たくさん怒られた。首根っこつかまれて連れていかれたこともある。厳しい指摘を受けて、こんちくしょうって思ったときもあった。でも、それは俺がガキだっただけ。大成してほしいから、怒ってくれたんだろうし、だからこそ今がある。俺の負けず嫌いな性格で、もっと勉強しようと思えた。原監督には感謝しかない。

 昔、息子ができたら、自分がプロ野球選手だと知ってもらうまではやめないと言ったことがある。一番下の息子の成真も小学2年生。昔は「パパなんで打てないの?」って聞かれて、心の中で“そんな簡単じゃねえんだよ”と思ったけれど、最近は「パパ昨日打った?」くらいしか言わなくなった。去年から野球チームに入って、難しさが分かってきたんだろうね。キャッチャーもやったりしているよ。「キャッチャー、阿部」だよ(笑い)。上の娘2人も、パパが“阿部慎之助”だと実感してくれている。だから納得だよね。

 400号を打ったら現役をやめようかとも考えて、嫁さんにも相談した。そしたら「そのときにまた考えればいいんじゃない?今やめたって、凄い数字を残しているわけだから、誰も文句を言わないでしょ」って。ある程度覚悟してたのかなと思った。でも、打った後にこれで終わりとは思わなかった。来年どういう補強をするかは分からないけれど、必要としてくれるなら、自分としては現役を続けたい。まずは今年、もう一度、日本一になりたいね。(読売巨人軍捕手)

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