習志野・飯塚、魂の“爆投” 6連続Kで同点&勝ち越し呼んだ

[ 2019年8月10日 05:30 ]

第101回全国高校野球選手権大会 第4日1回戦   習志野5―4沖縄尚学 ( 2019年8月9日    甲子園 )

6回途中から2番手として登板し力投する習志野・飯塚 (撮影・亀井 直樹)
Photo By スポニチ

 1回戦4試合が行われ、センバツ準優勝の習志野(千葉)は延長10回、沖縄尚学に5―4で競り勝った。6回途中から救援した飯塚脩人投手(3年)が5回2安打無失点8奪三振の好救援。習志野は夏通算20勝、千葉県勢は春夏通算140勝となった。また、仙台育英(宮城)は1年生4人が出場を果たす中で、24安打20得点の猛攻で初出場の飯山(長野)に大勝した。

 本塁に背を向け、右胸をグラブで思い切り叩いた。4回以来のリードを奪った延長10回の投球直前。飯塚はまず、自分を鼓舞した。好きな言葉は「魂」。最後の打者をこの日最速の148キロで左飛に抑え、右拳を握った。

 「接戦をものにできて勢いがつくと思う。粘り強さは自分たちのいいところ。それが出てよかった」

 試合の流れを経験と力で引き戻した。3―4の8回に3者連続三振。同点とした直後の9回も3者連続、計6者連続の奪三振ショー。「4人目か5人目くらいから狙っていた。チームに勢いつくので」。一塁側アルプスの「美爆音」と打線の勢いを復活させ、センバツでも3度見せた逆転勝利を呼んだ。

 重圧はあった。同点の6回無死一塁から、先発・山内を救援。四球と不運なポテンヒットで1死満塁とした。「雰囲気にのまれかけた。熱気だったり歓声が春とは比べものにならなかった。真っすぐは最後まで良くなかった」。センバツ準V右腕も狂わせた、夏の聖地の空気。スクイズで勝ち越されたが「マウンドの傾斜とか景色、春に強いところとやった経験は大きい」と最終3回は完全投球だ。自宅は学校から自転車で約10分。前回出場した11年夏、準々決勝の日大三戦を見て「凄い。こういう声援の中でやりたい」と進学を決意。9歳の少年の思いが8年後にかなった。

 千葉大会準決勝。木更津総合戦も、4―5の9回2死走者なしから延長の末逆転勝ちした。この日もあと2アウトからの生還。「僕らは先を見るようなチームじゃない。粘り強く、食らいついて最後に1点勝つ野球ができれば」。飯塚の魂がセンバツの雪辱の道を開いた。 (春川 英樹)

続きを表示

2019年8月10日のニュース