阪神・岩田の心奮わせたあの少年との“再会”

[ 2019年7月26日 10:00 ]

1型糖尿病患者とその家族との交流会を開催した岩田(球団公式インスタグラムから)
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 何年経っても変わらない、そして何物にも替えがたい「励み」になっている。25日、阪神・岩田は練習を終えると甲子園球場にある小さな部屋をノックした。ドアの向こうに待っていたのは、20人の優しい笑顔。自身も高校2年時に発症した1型糖尿病患者との交流会が開催された。

 09年から1型糖尿病患者を支援する「日本IDDMネットワーク」が設立した「1型糖尿病研究基金」に1勝につき10万円の寄付を行い、08年からは交流会を実施。今年は23、25日の2日間それぞれ、患者と家族の10組20名をDeNA戦に招いた。そして、観戦前に開かれる交流会は毎年恒例で、35歳のベテラン左腕にとって、大切な時間になっている。

 「みんな良い顔してたなと。病気になってまだ3カ月とか10カ月の人もいて、ちょっとした自分の経験も伝えたり。患者さんたちで情報交換したり、良い交流ができたら良いなと思う」。血糖値を下げるインスリン注射や食事の管理など、当事者でしか分からない苦労は少なくない。自身の経験や思いを伝える場としてはもちろん、同じ悩みや不安を抱える患者同士の“横のつながり”を生む機会としても役立てたい考えを持っている。

 そんな中、23日の交流会では嬉しい“再会”があった。09年に当時小学生で1型糖尿病を発症したばかりだった野球少年が大学生になって姿を見せてくれた。当時、球団広報とともに少年がいる滋賀県まで行って励ましの言葉もかけただけに「昔の面影もあって。高校でも甲子園に出たみたいで、すごいなと。まだ野球を続けてくれてることが嬉しかった」と声を弾ませた。

 自身がそうであるように、病と真正面から向き合って野球を続ける意義を再確認した。「投げやりになることもあるかもしれんけど、何かを続けることって、才能やと思うから。自分もまた頑張ろうと思える」。もらった刺激を白球に込める。その1球が同じ病と闘う人たちに、勇気を与える。(記者コラム・遠藤 礼)

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