広島に新星誕生の予感 高卒2年目・山口プロ初登板 2回2K無失点デビュー

[ 2019年5月8日 05:30 ]

セ・リーグ   広島0―6中日 ( 2019年5月7日    ナゴヤD )

2番手で力投する山口(撮影・椎名 航)
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 高卒2年目の広島・山口翔投手(20)が7日の中日戦でプロ初登板を果たした。5点ビハインドの5回から2イニングを投げ最速149キロを計測するなど2三振を奪う無失点デビュー。球団では過去にも前田(現ドジャース)や今村が同じ高卒2年目でブレークしており、新星誕生を予感させた。試合は今季3度目の零敗で連勝は4でストップ。再び借金生活に逆戻りした。

 広島の投手にとって「高卒2年目」は、その後の活躍に向けた、一つのキーワードでもある。熊本工から入団した2年目の右腕・山口は、デビュー戦を無失点で終えると極度の緊張から解放された。

 「2軍とは違う雰囲気で景色も違う。フワフワして、いつも以上の力は出せなかった。(無失点で終え)ホッとしました」

 出番は5点ビハインドの5回にやってきた。「プロ第1球」に選択したのは最大の武器である真っすぐ。阿部に投じたが144キロと想像以上に走っていなかった。変化球をうまく使い、最後はスライダーで左飛。続く高橋に左前打、遠藤に死球を与え一、二塁とピンチを招いたが加藤を145キロ速球で一ゴロ。大野雄をスライダーで見逃し三振に仕留め切り抜けた。

 2イニング目の6回は3打席連続安打していた平田を143キロで二ゴロに打ち取り京田は144キロで一ゴロ。大島、ビシエドに連打されたが、阿部に対し、この日最速となる149キロ速球を外角に制球し見逃し三振を奪った。

 「相手を過大評価せずに、自分の投球だけを考えた。高めに浮いたら簡単に持って行かれるということも経験できました」

 昨オフから力強さを求めて、投球フォームにワインドアップを導入したが、1軍に抜てきされた今春キャンプでは「フォームがバラバラです」と悩める日々。猛練習が続く日南1次キャンプの終盤では、連日のブルペン入りにより疲労もピークに。「疲れがたまっていたんで」と何とも現代っ子らしい理由からノーワインドアップに戻すと、真っすぐの球威がよみがえり、幸運にも現在の投球フォームの基礎ができあがった。

 広島では、過去にも前田や今村が高卒2年目で台頭し昨季はアドゥワが53試合に登板してブレークした。山口が「この流れを後輩たちにつなぎたい。途切らせたくないんです」と誓って迎えた2年目。先輩からのバトンを受け継ぐ確かな新星が現れた。(河合 洋介)

 【山口 翔(やまぐち・しょう)】
 ☆生まれ 1999年(平11)4月28日生まれ、熊本市出身の20歳。
 ☆球歴 父・護高さんの勧めで小4から広島市にあった「高陽スカイバンズ」で野球を始める。熊本・日吉中では軟式野球部に所属。熊本工では3年春に甲子園出場も初戦敗退。
 ☆モノマネ王子 昨年の「ファン感謝デー」では、上本の“命令”で一芸を披露。永川の投球フォームを再現すると“激似”で大爆笑を誘った。以降、オフの行事に出席するたびに、モノマネを要求されるほど話題に。
 ☆長野ファン 今季入団した長野と緊張の初対面を終えると「イケメンでした。巨人時代の応援歌、歌えます」とファンだったことを公言。
 ☆サイズ&投打 1メートル81、75キロ。右投げ右打ち

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