広島・誠也、V4へ「1」歩 菅野は「対戦していてワクワクする投手」

[ 2019年3月29日 05:30 ]

セ・リーグ   広島―巨人 ( 2019年3月29日    マツダ )

ティー打撃する鈴木 (撮影・奥 調)
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 プロ野球は29日、セ・パ両リーグが同時開幕し、各地で6試合が行われる。リーグ4連覇と35年ぶりの日本一を目指す広島の4番・鈴木誠也外野手(24)は28日、巨人戦を前に本拠地でフリー打撃などに汗を流して最終調整。開幕ダッシュするべく、G倒への難敵・菅野撃ちを誓った。緒方監督は、今季の戦いの中でVチームに熟成させる方針を示した。

 気温20度。春満開のマツダスタジアムで、鈴木はフリー打撃や右翼での守備練習などに汗を流し、最終調整を終えた。背番号「51」から「1」に変わって迎える7年目の開幕。長丁場の決戦に向け、“鼻声”ながら静かに闘志をかき立てた。

 「何年経験しても、同じことを考える。あー、また始まるんだ…と。不安もある。ただ花粉症は酷いけど、足の状態はいいし、体調を含めてコンディション的には悪くない。守備走塁への不安は、今のところないです」

 足へのコメントは、鈴木にとって重要なワードだ。17年夏に右足首を骨折。1年前は不安を抱えた中で開幕を迎え、ボルトを入れた状態でプレーした。それでも秋に除去手術を受け、以降は加速度的に回復。その事実が持つ意味は大きい。

 本拠地で巨人と開幕戦を迎えるのは、旧広島市民球場時代の92年以来27年ぶり2度目。「今はもう何も。敵ですし、対戦するのは投手なので」。丸が移籍し、いや応なしに注目は集まるが、鈴木は質問をさらりとかわして次の言葉に力を込める。

 「全く打っていないけど、菅野さんは対戦していてワクワクする投手。打つために、毎年いろいろやっているので楽しみです」

 対菅野は通算40打数9安打、0本塁打、2打点、打率・225。鈴木にしては低調な数字が並ぶが、裏返せば細心の注意を払われているとも言える。ともに17年のWBCメンバー。一定の敬意を抱いていても、ペナントを争う戦場では別だ。

 「今後を含め、チャンスは少ないと思うので、より集中して打席に立ちたい。ケチョンケチョンにやられているし、少しは嫌な打者になったな…と思ってもらえるように」

 オープン戦での出場15試合、4本塁打、14打点はいずれも自己最多で、11安打は最多タイ。助走段階で披露した破壊力は凄まじい。好球必打。菅野撃ちを起点に、カープの若き主砲がリーグ4連覇への道を切り開く。(江尾 卓也)

 ≪長野は決意「日本一に」≫丸の人的補償で巨人から広島に移籍した長野は「苦しいこともあると思います。みんなで力を合わせて乗り越え、日本一になるために頑張ります」と話した。オープン戦では打率・125と状態は上がりきらず、途中出場が濃厚だが、緒方監督は「経験のある選手なので、開幕してから絶対、彼の力が必要になる」と期待した。

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