阪神 星稜・奥川の初戦を“総出”で迎える ドラ1候補成長と真価を見極める

[ 2019年3月16日 06:19 ]

阪神も熱視線を送る星稜・奥川
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 阪神は今秋ドラフト1位候補の1人に挙げる星稜・奥川恭伸投手(3年)の選抜大会初戦を“総出”で迎える方針が判明した。第91回選抜高校野球大会(23日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が15日に大阪市北区の毎日新聞大阪本社オーバルホールで開かれ、星稜(石川)は開幕日の第3試合で履正社と対戦。難敵との激突を成長と真価を見極める格好の機会として位置づけた。

 大会初日から激アツの甲子園になる。猛虎の恋人は開幕日の第3試合、星稜―履正社に登場。屈指の好カードに胸を躍らせるのは、高校野球ファンだけではない。今秋ドラフト1位候補に挙げる阪神は最速150キロを誇る大会No.1右腕の初戦を“総出”で迎え、奥川シフトを敷く方針だ。球団関係者は言葉に力を込めた。
 「今年の選抜は星稜の奥川君、横浜の及川君、この2人を中心に見ていくことになります。いずれも勝ち進むごとに見ていくことになると思います」

 V候補筆頭とあって勝ち進めば“追加視察”も増えそうだ。谷本修球団本部長も「チームもこちら(関西圏)にいますし、タイミングが合えば見に行こうと思います」と話していて、昨年は一度も生視察が出来なかった超高校級の逸材を直にチェックする予定だ。

 大船渡・佐々木朗希、創志学園・西純矢、横浜・及川雅貴とともに『高校四天王』と称される一人。ただ、完成度の高さでは現時点で奥川が一歩抜けた存在だ。準優勝した昨秋の明治神宮大会では3試合(計15回1/3)で26奪三振。05年に駒大苫小牧・田中将大(現ヤンキース)がつくった大会記録の47奪三振(4試合計28回2/3)には及ばなくても、奪三振率14・63は田中の14・1を上回った。

 この冬を越え、どのまで伸びたのか。午後2時から金沢市内のグラウンドで約4時間の調整に努めた奥川は強豪、履正社との激突に表情を引き締めた。

 「最初は嘘かなと思った。(主将の)山瀬の引きが強いので打力の高いチームかなと予想はしていましたけど…。勝てば勢いづくと思う。腹をくくってやるしかないので、今はワクワクしている。チャレンジャー精神で受け身にならず、絶対に向かっていく気持ちを出していきたい」

 開幕日は2年生で背番号1を付けた昨夏甲子園でも経験済み。「たくさんの人の前で試合をやるということでアドレナリンも出る。押すところは押す、引くところは引く投球ができれば…」。猛虎からも熱い視線を注がれる聖地のマウンドを力強く見据えた。

 ◆奥川 恭伸(おくがわ・やすのぶ)2001年(平13)4月16日生まれ、石川県かほく市出身の17歳。宇ノ気小3年時に「宇ノ気ブルーサンダー」で野球を始め内野手兼投手。宇ノ気中では軟式野球部に所属し、3年夏に全国中学校軟式野球大会で優勝。星稜では1年春の北信越大会からベンチ入りし、2年時は春夏連続で甲子園に出場。甲子園通算5試合3勝1敗、防御率2・57。18年侍ジャパンU―18代表。50メートル走6秒5。遠投100メートル。1メートル83、82キロ。右投げ右打ち。

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