【侍J金メダルへの道】建山コーチ 2つの国際大会で変わる投手構成「全く別もので考えないと」

[ 2019年3月12日 09:00 ]

侍ジャパンの投手陣を束ねる建山義紀投手コーチ(撮影・北條 貴史)
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 【侍ジャパン〜2020東京五輪金メダルへの道〜建山投手コーチインタビュー(下)の(1)】

 侍ジャパンの建山義紀投手コーチ(43)がスポニチ本紙のインタビューに応じた。9、10日のメキシコとの強化試合を1勝1敗で終え、11月にプレミア12、そして来年7月には東京五輪が待つ。迫る2つの国際大会への展望を聞いた。(取材・構成 後藤 茂樹)



 ――メキシコ戦では平均年齢24・7歳。初選出11人という若くフレッシュなメンバーが日の丸を背負って戦いました。投手も12人中5人がトップチーム初選出でした。

 「どれだけ度胸があったり、開き直れる選手でも、ジャパンのユニホームに袖を通したら、いつもと環境が違います。どうしても違った心境に陥る。いざプレミア12、オリンピックで負けられない戦いになった時に、初めての代表となるとさらに緊張度が増す。今回呼んだ投手12人はみんながその舞台に上がる可能性を十二分に秘めているので。1度ここで袖を通してもらうことで違うと思います。代表の雰囲気を味わえますし。スタッフと仲良くなり、いざ大会に入った時に話し相手がいる、気の抜ける相手がいるとか。そこまで踏まえて、1回来ておくことは大事だと思いますね」

 ――今季終盤や来季序盤などに大活躍しても、一度も代表に入っていない選手を呼ぶことはリスクもはらみますか?

 「こちらとしては心配の種にはなってしまいますので。1回来たことで呼びやすくもなりますし。もっとも、1回も代表のユニホームを着ていない選手が、それでも呼びたいと思うぐらい活躍してくれるのもうれしいことではありますけどね」

 ――過去、チーム登録選手が24人だった五輪では、投手は10人か11人でした。人数のイメージは固まっていますか?

 「10人か11人になるのは間違いないかと。チームが28人のWBCやプレミアのように、専門職をしっかり置けるかというと、そうではないと思う。凄く対応力のある投手を集めないといけないイメージです。本当にあなたは先発しかしません、というのは3、4人かもしれません。先発投手でリリーフ要素も備えた選手を3、4人。後の3、4人をブルペン専門という感じですかね。投手コーチの立場からすれば、11人で絶対いきたいですよ(笑)。でも陣容によりますし、野手をこういう形でいきたい、という話になるかもしれない。力があってイニング投げられて、対応力がある投手を集めて、監督には“10人でいけますよ”と言ってあげたいですけどね。監督含め他のコーチも、絶対的に重要になるのは投手ということは理解してくれているので。11人じゃないかなとは思っていますけどね」

 ――チームが28人のプレミアと、24人の五輪では投手の構成も変わってきますか?

 「28人と24人では戦い方も全然違う。メンバーも。プレミア12からのオリンピックですが、メンバーはガラッと変わるかもしれません。28人なら専門職を置けますが、24人ではユーティリティーを置かないといけない。プレミアで優勝したとしても、これでいけるというものはないと思います。全く別もので考えないと」

 ――代表に呼んだ選手とは、シーズン中にグラウンドで再会しても話しやすいと思います。助言することもありますか?

 「チームの選手なので、こちら側から何か言うことはありません。ただ、あの場面はなぜああだったの?とか、なぜあの選択に至ったの?ということは聞きますね。あとは本人が感じている出来ですね。登板を見て、調子は90%ぐらいまできているなと思う。でも選手本人は70%と思っているかもしれませんし、100%と思っているかもしれない。そこのすり合わせは大事なので。そこの意識が合っているといいなと思いながら、呼びたい選手には出来というのはメチャクチャ聞きますね」



 ◇建山 義紀(たてやま・よしのり)1975年(昭50)12月26日生まれ、大阪府出身の43歳。東海大仰星から甲賀総合科学専門、松下電器を経て98年ドラフト2位で日本ハム入団。11〜12年は大リーグ・レンジャーズでプレーし、14年阪神で現役引退。日米通算499試合で38勝43敗28セーブ、防御率3・62。

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