ロッテ藤原、脅威の“粘り腰” 元侍・西野を相手に5球ファウル

[ 2019年2月5日 05:47 ]

ロッテ・春季キャンプ ( 2019年2月4日 )

シート打撃の打席に立つ藤原(撮影・白鳥 佳樹)
Photo By スポニチ

 ロッテのドラフト1位・藤原恭大外野手(18=大阪桐蔭)が4日、実戦形式のシート打撃に出場。3打数無安打だったが、左飛だった2打席目に驚異の粘りを見せた。かつて侍ジャパンの守護神を務めたこともある通算86セーブの西野勇士投手(27)を相手にファウル5球など10球投げさせた。高校通算32本塁打を誇り、昨年の甲子園で春夏連覇したスラッガーが大器の片りんを見せつけた。

 経験、実績ともに相手が上だ。初球から見逃し、ファウルと2球で追い込まれた藤原だがボール、ファウルと粘った。西野は5、6球目に代名詞フォークで決めにきた。だが、いずれもバットに当て決めさせない。9球粘った末、左飛だったが、高卒新人とは思えない驚異の粘りだった。

 「変化球もたくさん投げてくださり、一通り見られた。凄くいい経験でした」。しぶとい打撃は初々しい言葉とは裏腹だった。

 ただ、当てているだけではない。「甘い球を仕留め損なった」と悔いたのは8球目の外角に浮いた直球。大阪桐蔭の先輩である西武・森をほうふつさせる、打った後に膝を折って沈むフルスイングのファウルに「しまった」と口が動いた。追い込まれていようが、全力で振る中での対応力だから価値がある。

 この2打席目に捕手を務めた田村はベンチで見ていた1打席目にも言及。2球直球を見逃し、3球目。関谷のチェンジアップに遊ゴロのシーンだ。「シート打撃の初打席。直球2球で追い込まれて次の変化球を逆方向に打てる。凄いと思った。普通、引っかけますよ」。井口監督も「西野にも粘ってしっかりと振れた。力負けしない選手。目を見張るものがある」と評価。周囲からは、絶賛する言葉しか出てこない。

 打撃フォームも理想に近い形になった。前さばきか、後ろ足体重かで悩んだが中間よりやや後ろの左胸を軸に回転するのを試し「正直いけると思った」。不安は感覚が合わないバットで、4位・山口(明桜)のものを借りたほど。メーカーに急きょ発注した重心が先端にある中日・平田のモデルが2月中に届くかは微妙だ。

 「ピンチです。やばいです」と焦る18歳だが、この日見せた末恐ろしい才能と比較すれば、ほんの小さな悩みでしかなさそうだ。 (福浦 健太郎)

続きを表示

2019年2月5日のニュース