78歳「世界の王」に習う5年後の土台固め

[ 2019年2月5日 06:17 ]

ノックバットを手にテニスのサーブのポーズをする王球団会長
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 【永瀬郷太郎のおやじのピリカラ調】地鶏の炭火焼きにかぶりつき、芋焼酎で流し込む。締めは定番、釜揚げうどん。分かっちゃいるけど…。

 宮崎からスタートした今年のキャンプ取材。2日、生目の杜運動公園に足を運んだ。昨年2年連続日本一を達成したソフトバンクだが、レギュラーシーズンは故障者続出が響いて2位。今年は体力強化、ケガ防止のためにランニング量をかなり増やしている。

 サブグラウンドで行われた12分間走。王貞治球団会長は懸命に走る選手に目をやりながら、現役時代を懐かしむように口を開いた。

 「キャンプの最初は陸上部。“走れ、走れ”できついんだよ。10日過ぎたらこっちのもの。実技に入ったらね」

 どうやら走るのは苦手だったらしい。でも、しっかり走って土台を固めたからこその通算868本塁打。その習性は78歳になった今も体にしみついている。

 キャンプ初日。ブルペンに隣接する室内練習場で30メートルのダッシュを5本繰り返したそうだ。「ブルペンに行ったら誰も投げてなくてさ」。そう言いながら、マジに下半身を鍛えている。

 腰をしっかり落とすスクワットを朝昼晩50回ずつの一日3セット。エレベーターは極力使わず、階段を上り下りする。

 「つえ代わりだよ」というノックバットは、グリップエンドに「OH」の刻印が入った初めての専用品。ときおりテニスのサーブを打つように振り下ろしている。

 私が初めて巨人を担当した1982年のグアムキャンプ。助監督だった王さんは休日によくテニスをしてたっけ。そんな話を向けたら――。

 「本当はバドミントンをやりたいんだ。スマッシュじゃないよ。下からポーンと上げたシャトルにフットワークで追いついて返すんだ」

 そう言って軽やかにステップを踏み始めた。その動きの軽いこと。

 「5年後も今の体でいられるようにしたい。だからやってるんだ。下半身を鍛えないとね」

 今年はホークス福岡移転30周年となる。「球界の寝業師」の異名を取った根本陸夫氏が先を見据えて選手を集め、移転11年目で初優勝を飾ったのは99年。「世界の王」を監督として招いて5年目のことだった。

 5年後か…。私も王さんの爪のあかを煎じて、かみ応えのある地鶏にかぶりつける自分でいたい。

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