清宮の“兄貴”が復活を賭ける

[ 2018年2月7日 12:52 ]

早大の加藤雅樹
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 プロ野球がキャンプインして球春到来。大学野球界も各校スポーツ推薦の入学予定者が練習に合流するなど本格的な練習が始まった。昨秋、70年ぶりに東京六大学野球の最下位(東大と同率)に沈んだ早大。センバツ大会のV腕・徳山(大阪桐蔭)ら新人が練習に合流した6日、グラウンドでは主砲・加藤雅樹の復活に賭ける姿があった。

 天国と地獄を味わったシーズンだった。2年で早大の4番を任された。春は“三冠王”も期待されるほど打率・375で首位打者を獲得。本塁打、打点は及ばなかったが4本塁打、13打点は「打棒ワセダ」の4番として合格点の内容だった。

 しかし秋は開幕の明大戦から2カード、5試合ノーヒット。選手を使い続けることで知られる高橋広監督がたまらず4番に代打を送るシーンもあった。打率は・222、0本塁打、2打点。3カード目から6試合連続ヒットはマークしたが、4番の不振がそのままチームの成績に直結した。

 昨秋を振り返り「崩れてましたね」と言った。春に打たれた他校の投手陣から徹底マークにあった。「打ちたい、打たなくては」の責任感が強く知らずのうちに打撃フォームが崩れていたという。加藤の理想は独楽(こま)のように軸がブレず回転で打つフォーム。内角を厳しく突かれ外に変化球。選球眼のいい男がボール球の変化球を追いかけて空振りする姿が象徴していた。スタンドからも「何やってんだ加藤!しっかり打て!」と罵声も浴びたという。こんな経験が精神面をよりたくましくさせている。

 年が明け、加藤はひたすらバットを振っていた。ティー打撃でも1球ごとに声を出しボールを叩く。きれいなスイングという印象から迫力が加わった。見ているだけで今季に賭ける意気込みが伝わってくる。

 早実では4番捕手として夏の甲子園ベスト4。2年が過ぎもう捕手への未練はないという。「僕は打撃が好きなのでそれを生かしていきたい。捕手はまず守り。外野手として打撃を磨いていきたい」と2年後のプロを視野にバットでアピールを狙う。早実時代の“弟分”清宮が日本ハムに入団したのもいい刺激となっている。

 きりりとしたイケメン。名前は巨人のエースとして君臨した斎藤雅樹(現巨人一軍投手総合コーチ)から付けられた。加藤も主砲に君臨するため、そしてV奪回のためひたすらバットを振りまくる。(落合 紳哉)

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