神ってる広島にラミってるDeNA 球団57年ぶり3連続サヨナラ

[ 2017年8月25日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA5―4広島 ( 2017年8月24日    横浜 )

<D・広>倉本(左から3人目)の内野安打でサヨナラ勝ちし、歓喜のDeNAナイン
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 カープ相手に神ってます。DeNAは24日、広島戦で3試合連続のサヨナラ勝ちを収めた。4―4の9回2死二塁から倉本寿彦内野手(26)が決勝の二塁内野安打を放った。球団では大洋時代の1960年以来57年ぶりの3試合連続劇的勝利。同一カードでは初めてだ。60年は球団初の日本一を達成した年。CS進出に向け吉兆だ。

 2度あることは、3度あった。同点の9回2死二塁。倉本の打球が二塁手の菊池の前でバウンドした。名手が捕球して延長戦…ではなかった。打球はイレギュラーし、菊池のグラブの左をすり抜けた。二塁走者の高城が一気に生還。大洋時代の60年以来57年ぶりの3試合連続サヨナラ勝利だ。殊勲の9番打者は同僚からのウオーターシャワーを気持ち良さそうに浴びた。

 「打った時はやってしまったと思ったが、ラッキーでした。チームが2試合いい流れできていたので、僕も乗り遅れずに流れに乗れて良かった。(57年ぶりは)凄いと思います」。1―4の6回から反撃を始めた。1点、また1点。8回には筒香が「何としても自分のバットで(走者を)還す」と右前に同点打を放った。主砲の強い気持ちが、3打数無安打だった倉本にも伝わった。「内容が良くなかったので何とか粘って次につなげようという気持ちだった」。最後にチームの勢いに乗った。4点差、5点差、そして3点差。3試合全て逆転勝ちだ。

 3年目の26歳は苦しんできた。遊撃で開幕から先発起用されるが、3、4月は打率1割台と低迷。それでもラミレス監督は「僕は一度レギュラーを決めた選手は信じて起用する。倉本が下を向く姿を見せたら代えるが、彼は一生懸命にやっている」と我慢して起用し続けた選手だった。

 その期待に応えようともがいた。早出居残り練習に取り組み、自宅に帰ってからもあらゆるバットを握って試合で使用。悪い流れが変わるようにと、ラッキーカラーのピンク色のマジックで帽子に自らの背番号「5」を書き込んだ。気分転換にと、ストッキングを上げるオールドスタイルにしたこともあった。「春先からの積み重ねがいい結果につながっている」。打率は・262まで上昇した。

 首位・広島を相手に3試合続いた劇的勝利。ラミレス監督は「アンビリーバブル、アゲイン!倉本はしっかりと仕事をしてくれた」と称えた。前回の3試合連続サヨナラ勝ちは、前身の大洋が初優勝を飾った年。伝え聞いた指揮官は「それはいい兆候」とニヤリだ。25日は敵地・神宮でのヤクルト戦。4試合連続を見られないのが、なんとも惜しい。(中村 文香)

 ☆DeNAの前回3戦連続サヨナラ勝利 大洋時代の60年6月26日国鉄(現ヤクルト)戦は9回に沖山がサヨナラ打。29日巨人戦の第1試合では、延長12回2死二塁から沖山の犠打を捕手・森が三塁へ悪送球。サヨナラの走者が生還した。続く第2試合も延長12回の末、先頭・桑田のサヨナラ弾で決着。同年は70勝56敗4分け、勝率・554で球団初のリーグ制覇。大毎との日本シリーズを4連勝で制し、三原脩監督は就任1年目で初の日本一に導いた。

 ≪57年ぶり2度目≫DeNAが広島を相手に3戦連続サヨナラ勝ち。3試合連続サヨナラ勝ちは、15年中日以来15度目のプロ野球タイ記録。チームでは大洋時代の60年6月26〜29日以来57年ぶり2度目となった。また同一カード3連戦で3試合連続サヨナラ勝ちは、08年ヤクルト以来史上4度目で、チームでは初めて。一方、広島の3試合連続サヨナラ負けも08年ヤクルト以来プロ野球15度目のワーストタイで、チームでは07年4月21〜24日以来2度目の屈辱。今月5度のサヨナラ負けは58年9月の巨人、68年6月の阪神、93年5月の中日に並ぶリーグワースト記録になった。

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