広島・上本、自信を胸に誓う飛躍 「第4の捕手」として出場も!?

[ 2017年8月9日 10:20 ]

広島・上本
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 102試合目で優勝マジック33が初点灯した広島。まだ41試合を残す中、野手では唯一、シーズン自己最多出場を更新しているのが5年目の上本崇司内野手(26)だ。新人だった13年の30試合を上回る33試合に出場している。

 実は「第4の捕手」という“重役”を担っている。植田バッテリーコーチが説明する。「彼は器用だから。何かあったときは頼む、と前もって伝えている」。7月21日の中日戦。負け試合の中、勝利を目指すため石原、磯村に代打が送られたことで、9回には会沢がマスクをかぶった。万が一、会沢にアクシデントがあった際、マスクをかぶる予定だったのが上本だった。

 「捕手で試合に出たのは中学のときが最後。正直、準備は何もしていないけど、心構えだけはできています」。チームにとっては、捕手としての出場機会がないことが一番だろうが、欠かせないピースであることも事実だ。

 今季は定評のあった守備に加え、俊足ぶりも光る。プロ初盗塁を含む2盗塁をマーク。何より今季のチーム初勝利を呼び込んだことが記憶に残っている。開幕2戦目だった4月1日の阪神戦。延長10回に代走出場し1死二、三塁から安部の二塁へのゴロで三塁走者として好走塁を見せ、サヨナラ勝ちを呼んだ。

 河田外野守備走塁コーチからも走塁面で評価を受ける。「そんなに出場機会はないけど、初めて盗塁を決めたこともあり、自信をつけたんじゃないかな。必要とされていることに喜びを感じていると思う。今年は自信なさげにしている姿がなくなったね」と変化を感じている。

 上本自身も「強気な気持ちを持って、今年はやれていると思います」と一定の手応えをつかんでいる。その一方で、現状には満足していない。「試合出場数が、ただ増えただけでは仕方ないです。盗塁もまだ2つだけですし、打席にももっと立ちたいですから」。

 今季は7打席に立って1四球も無安打。悔やむのは5日DeNA戦で7回2死で回ってきた打席だった。カウント2―2からフォークを空振り三振。「結果を出したいという気持ちが強くて…。つい、欲が出てしまいました」。顔をしかめながら振り返る姿から歯がゆさが伝わってきた。代走、守備固め要員のままで終わるつもりは毛頭ない。(記者コラム・柳澤 元紀)

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2017年8月9日のニュース