これぞ4番の仕事!誠也逆転3ラン 緒方監督「頼もしく成長」

[ 2017年7月3日 09:10 ]

セ・リーグ   広島6―4中日 ( 2017年7月2日    マツダ )

<広・中>8回1死一、三塁、左越えに逆転3点本塁打を放ち、ガッツポーズの鈴木
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 広島・鈴木誠也外野手(22)が2日の中日戦で、1点を追う8回に起死回生の16号3ランを放ち、今季26度目の逆転勝利を飾った。今季7度目となる同一カード3連勝で貯金も今季最多を更新する21とした。

 弾丸ライナーが左翼席に吸い込まれると、鈴木は右拳を握りしめ、ガッツポーズを繰り返した。1点を追う8回1死一、三塁。最高の見せ場で最高の仕事を成し遂げた4番は、こみ上げる感情を抑え切れなかった。

 「情けない思いが強かったのでホッとして(ガッツポーズが)出ちゃいました。打席に入る前に大声援が聞こえたし打ちたかった」

 又吉の代わりばな。2球目の148キロ内角直球をフルスイングした6月14日オリックス戦以来、11試合ぶりの逆転弾。打ってほしい場面で打つ。まさに千両役者の働きだった。

 「眠れない。(打撃も)クソです…」

 試合前の練習中、ポツリと漏らした。カード初戦に決勝打を放ったが前日1日は2度の好機で無安打。打率・302、リーグトップタイの61打点でも、責任感が強く究極の打撃を追求する22歳に妥協の2文字はない。

 「“重圧を感じる必要はない”とか“結果を気にしなくていい”と言われますが、4番に入っている以上、打てなかったら僕の責任は大きいですよ」

 この日の1、2打席目はオープンスタンスだった。「結果が出ていないので、何とかしないと…という気持ちで」。スクエアに戻した3打席目まで快音は聞かれず、それが「情けない…」発言となった。それでも、決める時は決める。緒方監督は大絶賛した。

 「カープの4番打者が試合を決める大きな逆転ホームランを打ってくれた。本当に頼もしく成長している」

 鈴木の一振りで貯金は今季最多21に増えたが、本人は冷静だ。「今日は、流れをつくってくれた丸さんや、ファンの声援で勢いに乗っていけた部分がある」。分析力と向上心、強い肉体と精神力を持つ4番。その大仕事はまだ緒に就いたばかりだ。 (江尾 卓也)

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