糸井83打席ぶり一発&福留逆転口火打 中軸2人で上昇気流へ

[ 2017年7月3日 08:10 ]

セ・リーグ   阪神5―4ヤクルト ( 2017年7月2日    甲子園 )

<神・ヤ>勝利し、ハイタッチする糸井(左)と福留。(中央は高山)
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 阪神は2日、ヤクルト戦(甲子園)に勝利し6月15、16日以来の2連勝で4カードぶりに勝ち越した。

 深刻な貧打にあえぐ猛虎に、上昇気流を招き入れたのは、やはり2人の中軸だった。1点リードの7回1死。糸井が右翼ポール際に8号ソロを突き刺し、追いすがる燕を撃ち落とした。実に5月30日以来、出場21試合、83打席ぶりの一発。大山、大和とともに上がった、久々のお立ち台で虎党に感謝した。

 「やりました! (打って1周する間は)幸せでした。ファンの声援が最後の一押しをしてくれた。昨日より今日の方が大事な試合だと思っていたので、勝てて良かったです」

 責任感の強い男だ。6月9日のソフトバンク戦中に左太腿裏の軽い筋挫傷を発症。以降8試合は首脳陣の配慮もあり先発を外れた。その間も自身よりチームを最優先。金本監督に「監督なら出るんじゃないですか」と“先発直訴”に近い問いかけをすることもあったほどだ。同23日の広島戦から先発復帰したが、チームは8連敗。その間、糸井も打率・208、2打点。中軸に座る自身の不振がチーム成績に直結することは分かっている。敗戦の責任を背負いながら復調を目指し、臥薪嘗胆の日々に別れを告げる一発となった。

 もう一人のキーマン・福留も上昇気配を見せた。逆転を許した直後の6回、先頭で右中間二塁打を放ち反撃の口火を切った。5月30日以来、出場24試合、97打席ぶりの長打だった。続く7回の右前打で出場6試合ぶり、糸井とそろい踏みとなるマルチ安打も記録した。状態について問われると「そんなこと(復調の兆しでは)ないよ」と話したが、感触は悪くないはずだ。

 8連敗中は2人で計48打数10安打、3打点の大不振。この日の結果が示すように両者がチーム浮沈の鍵を握っている。だからこそ、金本監督も「あれ(糸井の本塁打)は大きかったね。彼自身、これをきっかけにと言うか。また4月の調子に戻してほしい」と復調に安堵の表情を見せれば「孝介も、もう一つ調子が上がって来ないけど、糸井が良くなって、孝介も上がってきたら、また4、5月みたいにドンドン点が入ると思う」と福留の背中を押した。

 「(打線は)一時よりはトンネルを抜けたかな、という思いはある」と指揮官。残り71試合。8連敗は痛かったが、両雄が並び立てば、まだ十分に取り返せる。(惟任 貴信)

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