阪神・福留 25打席ぶり安打が千金タイムリー 2年ぶり盗塁も決めた

[ 2017年6月9日 05:30 ]

日本生命セ・パ交流戦   阪神3―2オリックス ( 2017年6月8日    京セラドーム )

<オ・神>6回2死、福留は二盗を決める
Photo By スポニチ

 阪神は8日、京セラドームでのオリックスとの「関西ダービー」に3―2で競り勝った。6試合連続無安打だった福留孝介外野手(40)が2―1の6回2死三塁から25打席ぶりの安打となる中前適時打。2年ぶり盗塁も決めるなど主将が奮起し、交流戦では初の開幕3カード連続勝ち越しとした。

 待望の一打は、やはり大事な場面で生まれた。2―1で迎えた6回2死三塁。両先発投手のデキを考えても試合のすう勢がまだ見えない中、福留のバットがついに快音を鳴らした。ディクソンの3球目のスライダーをしっかり引きつけて中前へ。4番の25打席ぶりの安打が貴重な適時打となった。

 「追加点のほしい場面だったし、みんなが形をつくってくれて回って来た打席だったので後ろにつなぐことと、走者を還すことだけを考えて打った」

 自身にも、チームにも大きな一打。キリッと引き締めたまま一塁まで走った後、塁上で珍しく表情が緩んだ。

 決して弱音や悩みを口にする男ではない。阪神移籍後最長の24打席無安打だったことを聞かされても「そういうこともあ るでしょう」と淡々。た だ、打撃が本調子でない こと、チームに貢献できていないことへの自覚はもちろんあった。

 試合前練習では鳥谷のバットを拝借して素振りする姿があり、前日からはフリー打撃の際に試合用の白木のバットではなく、やや軽量の茶色のバットを使った。何かがおかしいと思えば、自分で考えてすぐに対処しようと試みる。40歳まで第一線で活躍し続けられる要因の一つだ。

 抜け目のないプレーでも百戦錬磨ぶりを見せつけた。安打後の原口の打席では相手バッテリーが無警戒と見るや4球目に完璧なタイミングでスタート。楽々と2年ぶりの盗塁を決め、「ふつう」の一言で済ませた。四球出塁した2回には原口の右前打で一気に三塁を陥れる好走塁。高代ヘッドコーチを「センスやろう。若い人の手本になる」とうならせた。

 無安打だった6試合でも7四球で存在感を示していても金本監督は「僕は孝介にホッとしましたね。年に1回はそれくらいあるものだし、僕はそう思っていたけど、やっぱり心配はしますわね」と胸をなで下ろした。「関西ダービー」の最終戦は主将の意地が光った快勝だった。 (山添 晴治)

 ≪2年ぶり盗塁成功≫福留の盗塁成功は15年4月1日のヤクルト戦(神宮)4回の二盗以来2年ぶりで、40歳代初。40歳以上の阪神選手の盗塁成功は金本、矢野に続く3人目。ちなみに前回の盗塁以降、15年に2度、16年に1度盗塁失敗している。

続きを表示

この記事のフォト

2017年6月9日のニュース