ロッテ石川、左キラーの真価発揮!角中のバット3本へし折った

[ 2017年2月15日 05:30 ]

昼のランチ特打で角中と対戦した石川
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 ロッテの侍「五右衛門」が奥義を見せた。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で侍ジャパン先発陣に入る石川歩投手(28)が14日、今春初めてフリー打撃に登板。昨季パ・リーグで首位打者、最多安打に輝いた角中勝也外野手(29)を相手に、バットを3本も折る圧巻の内容を示した。

 ランチタイムの静かなグラウンドに、鈍い音が響いた。石川の相手は特打に取り組む角中。16球目に投じた内角直球がバットをへし折った。

 38球目、今度はカーブで右飛に打ち取った際に2本目のバットにひびが入った。慌てて関係者がロッカーからバットケースを移動させたが、46球目のシンカーで三たびバットは折れた。昨季打撃タイトル2冠の左打者は、快投にうなった。

 角中 指に掛かるといい球が来る。内角の直球は力を入れて、完全にバットを折らせにきていた。

 脱帽といった響きを含むチームメートの言葉に、右腕も呼応した。

 石川 折りにいってないです。でも左打者の内角は自分の生命線。投げないと抑えられないので意識して投げました。

 昨季は対右打者の被打率・267に対して、対左打者は・209。内角を突き、決め球のシンカーで手玉に取る。代表合宿前に打者を相手に投げるのは最初で最後とあって、球種を宣言して投げるのではなくサインを入れ、より実戦を意識しながら持ち味を発揮した。直球はほとんど打球を前に飛ばさせず、51球で安打性の当たりはわずかに2本。角中がこのキャンプで投手相手の打席に立つのが初めてだったとはいえ、これ以上ない腕試しの相手をねじ伏せた。

 「直球は良かったですが、ほかの変化球の精度を上げていかないといけない。打者が立ったときの制球を、もう少し投げ込んでつくっていきたい」。WBC1次ラウンドでは第3戦・中国戦の先発が有力で、その後も臨機応変に出番に備える。いつも冷静なその投球と表情は、世界を相手にしても変わることはない。(町田 利衣)

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