広島ドラ1加藤 初紅白戦2回0封!誠也のバット折り侍3人斬り

[ 2017年2月15日 09:44 ]

広島紅白戦   紅組6―0白組 ( 2017年2月14日    日南 )

紅白戦に初登板し、2回1四球無安打と好投した加藤
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 広島のドラフト1位・加藤拓也投手(22=慶大)が宮崎・日南キャンプの第3クール最終日の14日、紅白戦に初登板し2回無安打無失点の圧巻デビューを果たした。3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参加する侍ジャパンの鈴木のバットを直球勝負でへし折るなど広島の侍3人衆を力で抑え込んだ。

 グシャッ――。鈍い音が球場に響くと同時に、折れたバットが三塁側ファウルゾーンへ転がった。紅白戦とはいえ、新人右腕にとっては全てがアピールの場。相手が同学年で侍ジャパンの鈴木となれば、自然と力が入るのも当然だろう。選んだ道はオール直球勝負。現状での持てる力をフルに発揮し「勝利」をつかみ取った。

 「変化球もありかな、と思ったけど、まだ(この時期は)真っすぐでいいかなと。ボールが多かったけど何とか粘れた」

 5回から登板し2イニング目となった6回。1死から鈴木と対峙(たいじ)すると初球から3球連続ボール。ただ、ここからが並のルーキーではない。直球2球でフルカウントに持ち込み、1球ファウルされた後の7球目。144キロの真ん中直球で鈴木のバットをへし折り、力ない遊ゴロに仕留めた。鈴木からは「(ボールは)よかったです」と短い言葉で敬意を表された。

 「結果としてゼロに抑えられたので良かったと思う。真っすぐの感触を確かめたかった。フライが多かったので指にかかっていたと思う。真っすぐの力は徐々に良くなっている」

 打者7人に対し1四球のみ。5回1死一塁から田中を直球で遊飛。続く菊池も直球で平凡な右飛に仕留めるなど6つのアウトのうち、4つをフライアウトで取った。この日の最速は145キロだったが、全28球中、90%に迫る25球が真っすぐで、ねじ伏せたと言っていい内容。コンビを組んだ会沢も「堂々としていた。高めの直球が一番良かった」とうなずいた。

 視察した他球団007もうなった。ヤクルトの志田宗大スコアラーが「球の一球一球が力強く、高めの速球がいい。担ぎ投げで背も高くないし、うちの小川に似ている」と称せば、中日の井本直樹スコアラーは「タイプとしては巨人の沢村。勢いで投げてうまくハマると力で抑えられる」。両スコアラーとも、かつての新人王の名前を出し、警戒心を強めた。

 緒方監督は称賛する一方で今後の課題を口にした。「打者が差し込まれている。球の力がある。また実戦の中で、もっと球数を増やして投げてもらおうと思っている。(課題としては)いいボールを投げる確率を上げてほしい」。伸びしろは十分。今後にますますの楽しみを残すデビュー戦だった。(柳澤 元紀)

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2017年2月15日のニュース