由伸監督愛のムチ 重信に特訓令…守備練習でバント役&居残りも

[ 2017年2月15日 05:30 ]

二岡打撃コーチ(右)が見つめる中、居残りでバント練習をする重信
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 沖縄初日は愛のムチ!巨人は14日、沖縄での2次キャンプをスタート。高橋由伸監督(41)ら首脳陣が、宮崎1次キャンプ中に犠打失敗を繰り返した重信慎之介外野手(23)に対し「特命」を課した。投内連係で守備練習から外してバント役を務めさせると、居残り特打では1時間近くもマシン相手にバントだけをさせた。サバイバル2次ラウンドで、妥協を許さない姿勢を示した。

 投内連係の練習で野手が守備位置に散らばる。重信は違った。いつものように外野には就かず、打席に向かった。手にはバット。守備の練習メニューなのに、ただ1人、「打者」になった。

 内容はバントシフトの確認。重信は約30分間、投手の球をバントし続けた。通常なら投手が捕手に球を投げ込むのを合図に、コーチがバントの球を転がすところだ。異色な役どころを課した高橋監督は、説明した。

 「この前も(犠打を)失敗したしね。バッターもそうだけど、ピッチャーもきっちりストライクを投げるという、お互いに緊張感があっていいのかなと思いまして」

 昨年の就任からこれまで、高橋監督が全体練習中に一人の選手に「特命」を課したことはなかった。愛のムチに至った経緯は、宮崎1次キャンプ中の9日に行った実戦形式の打撃練習だ。2打席のうち1度、犠打に失敗。3打席目を課せられるとまたもや失敗し、唯一、4回目を命じられた。

 12日の紅白戦では初回無死二塁からバントの構えで空振りし、飛び出した二塁走者が帰塁できずにアウトになる場面もあった。この日は首脳陣、投手、内野手、観客の視線を一身に浴びながら「犠打練習」。緊張からミスも目立った。

 重信は「下手くそだからです」「下手くそだからです」と言葉を重ね、「(バントが)根本的に下手なんです」と猛省。グラブをつけたままバントの構えでマシンの球を捕球する珍しい練習もした。「自分の(しっかり)見えるところでバントできるように、グラブでやりました」。全体練習後は、約50分間も居残りでマシンに向かった。コーチの指示で黙々とバントを続け、一度もバットを振ることはなかった。

 優勝を逃した昨季のチーム犠打成功率はリーグ3位の・765。高橋監督は1月のスタッフ会議で「バント成功率8割」「4得点以上の試合を75試合」と目標を掲げている。1点を奪うため、妥協は許さない。「(失敗すれば)他の選手もやらせるかもしれない」と厳しい姿勢を示した。

 本職の外野だけでなく二塁でも定位置争いに挑む重信。昨季イースタン・リーグ2位の36盗塁をマークした23歳には、小技が求められる。指揮官は「チャンスはいくつかのポジションにありますから」と言った。成長次第では、3年ぶりリーグVのキーマンにもなりうる。 (神田 佑)

 ≪昨季の犠打成功率・167≫重信(巨)が昨季送りバントを試みたケースは6度。うち、成功したのは、6月1日オリックス戦の初回、無死二塁で決めた捕犠しかなく、成功率は・167だった。なお、2軍ではイースタン5位タイの14犠打をマークしている。

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