中国に“2カ国代表”の異色左腕 猫ひろしとの共通点は?

[ 2017年2月15日 10:23 ]

オリオールズ時代のブルース・チェン投手(2005年撮影)
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 WBCで日本はキューバ、オーストラリア、中国と同組で1次ラウンドを戦う。中国には異色の左腕がいる。オリオールズなどでメジャー通算82勝を挙げ、15年に現役引退した39歳のブルース・チェン投手だ。中国人の祖父を持つパナマ生まれの中国系パナマ人で、06、09年WBCはパナマ代表で出場した。13年の前回大会は中国代表入りを目指したが、登録手続きが間に合わず、参加できなかった。

 大リーグ公式サイトのインタビューによると、「祖父母が生きていたら、誇りに思ってくれただろう。2つの国を代表することができる人は多くない」と喜びを語っている。実績があるとはいえ、ブランクがある。試合で投げられるのだろうか。左腕は「メジャー開幕前と同じくらいハードな練習をしている。勝利に貢献したい」と投げる気満々。球速は130キロ前後だが、重いボールを投げて球速を上げるトレーニングに励んでいる。侍ジャパンの前に立ちはだかる強敵となるかもしれない。

 少し話は変わるが、チェンのインタビューを読んで思い出したことがある。先日、近所を走っていたら、小柄な男性が猛スピードで追い抜いていった。普通のジョギングコースであり得ない速さだった。下り坂を走って止まらなくなったような、大きなストライドで走る男性は、お笑い芸人の猫ひろしだった。

 僕が「レム色」というコンビで芸人の端くれだった頃に、猫ひろしは無名な存在から一気にブレークした。まさにジョギングしていたらダッシュで抜き去られたように、売れない僕らを突き放してスターへの階段を駆け上がっていった。

 確か僕より何歳か年上なのに凄い体力だと思って年齢を調べてみたら、ブルース・チェンと同じ39歳だった。猫ひろしもマラソンのカンボジア代表としてリオ五輪に出場した。国を背負う誇りが2人の39歳を突き動かし、肉体の限界を超えさせるのだろう。どうでもいいけど「ブルース・チェン」っていうのも「エンタの神様」に出てそうなピン芸人っぽい名前だと思う。(記者コラム・渡辺 剛太)

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2017年2月15日のニュース