則本 WBC仕様カット&シンカー 球数制限見据え打たせて取る

[ 2017年2月8日 08:20 ]

ノックで右に左にボールを振られて必死に捕りに行く則本
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 3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する楽天の則本昂大投手(26)が7日、沖縄・久米島キャンプで3度目のブルペン入り。今キャンプ最多の117球を投げ込んだ。シーズンでは投げないカットボールやシンカーを試投。ちょうど1カ月後の3月7日、キューバとの1次ラウンド初戦(東京ドーム)の先発が内定している3年連続の奪三振王は球数制限があるWBCで新たな球種を武器に打たせて取る投球を磨く。

 剛球に打者の手元で動く新たな武器を織り交ぜた。今キャンプ最多となる117球を投げ込んだ則本は「50球を超えたあたりからバテた。まだ投げ込みが必要かな」と苦笑したが、WBCに向けて練習しているカットボール、シンカーも投げ、今までとは違う姿を見せた。「あまり良くなかった。まだ練習が必要」と満足はしていないが、今後も磨いていく考えだ。

 昨季は195回を投げて216三振を奪い、3年連続の奪三振王に輝いた。とはいえ、WBCには球数制限がある。1次ラウンドは65球。則本は昨季の平均球数を見ると、4回に届かない。巨人・菅野ら先発予定の4投手の中では最も球数を費やしている。新球の導入について「(球数制限が理由に)ないことはない」と明かした。最速157キロの直球に、落差の大きいフォークを武器とした三振を奪うスタイルではおのずと球数が増える。そのため打者の手元で動くボールで打者の当たり損ねを誘い、球数を「節約」したい。沈むシンカー、横に曲がるカットボールで打たせて取る。

 本番でのマウンドやボールへの対応も順調だ。球団が用意した土が硬いWBC仕様のブルペンを使用し、「硬いマウンドは嫌いじゃない。問題なくやれている」。滑りやすいWBC公式球も「自主トレからずっと触っているので、なじんできた」と“問題なし”を強調した。初めて打者を立たせた投球も行い、調整も順調に進めている。

 キューバとの1次ラウンド初戦で先発するはずだった日本ハム・大谷が右足首痛で不参加となった。則本が「開幕投手」を務めることが決定的だが「まだ投げる場所が決まっていないので、1次ラウンド全チームの動画を見て、イメージできるようにしていきたい」と言う。その中にはもちろんキューバも含まれ、今後研究を重ねる。前ロッテでソフトバンク入りが確実なデスパイネとは過去3年間の対戦で29打数11安打、打率・379、3本塁打、9打点。相性は悪いが「(特徴を)分かっている部分もあるし、やってみないと分からない」と“新スタイル”で打ち取るつもりだ。

 今季初の実戦登板は、11日に行われる紅白戦となる見込みだ。「実戦に向けてしっかりと調整できれば。新たな課題も出てくると思うので、修正していきたい」。徐々にギアを上げて、23日から始まる侍ジャパンの合宿に乗り込む。 (黒野 有仁)

 ≪昨季の平均なら4回まで届かない≫侍ジャパンの先発陣4人のうち、昨季レギュラーシーズンの1イニングあたりの平均球数は則本が17.35球で最も多い。WBC1次ラウンドの球数制限である65球は3.75回、2次ラウンドの80球は4.61回、決勝トーナメントの95球は、5.47回で到達する計算。それぞれ石川と菅野が到達している4、5、6回のラインに届かない。

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