広島ドラ1加藤 侍斬り 誠也&田中&菊池をノーヒット

[ 2017年2月8日 09:15 ]

フリー打撃に登板し、鈴木(手前)から空振りを奪う加藤
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 広島のドラフト1位・加藤(慶大)がフリー打撃に初登板し、WBCに出場する鈴木、田中、菊池の「侍トリオ」を完璧に抑え込んだ。

 「ストライクゾーンにいった球はある程度良かったと思う」。感想は控えめだが、内容は圧巻だ。最速153キロを誇る右腕。全38球のうち34球は、左足を高々と上げるダイナミックなフォームから投げ込む直球だった。同学年の鈴木との対戦。2球目、外角低めの直球でバットに空を斬らせ、昨季29本塁打を放った強打者を驚かせた。田中からも直球で空振りを奪い、菊池のバットにも芯で捉えさせなかった。

 「真っすぐがどう捉えられるかを見ようと思った。打者の反応を見られたのは収穫」。安打性の当たりは一本もなく、前に飛んだ打球も2本のみ。首脳陣、同僚に強烈な印象を与えた。緒方監督が「真っすぐに力がある。(打者が)差し込まれていた。打ちづらそう」と言えば、田中も「タイミングが取りづらい。この時期にあの球は打てない」と舌を巻いた。

 半分の19球がボール球と制球面に課題は残したものの、視察したセ・リーグ5球団の偵察隊は警戒を強めた。ヤクルトの志田宗大スコアラーは「直球はうちの小川と(ソフトバンクの)サファテと(広島の)岡田を足して3で割ったような印象」と直球が武器の3投手の名前を挙げたほどだ。

 昨季限りで引退した黒田博樹氏が抜けた穴を埋める先発候補として期待されている。“侍斬り”にも舞い上がらず「投げ急いだところもあった。次は自分のタイミングで投げたい」と課題も挙げた。まずは第一歩。本当の姿はこれからだ。

 ◆加藤 拓也(かとう・たくや)1994年(平6)12月31日、東京都生まれの22歳。小学2年で野球を始め、中学時代は捕手。慶応高では1年秋から投手に転向し、3年春からエースを務めて夏の神奈川大会8強入り。慶大では1年春にリーグ戦デビューし、通算24勝(12敗)。4年秋の東大戦でノーヒットノーランを記録。1メートル75、90キロ。右投げ右打ち。

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