侍小久保監督 大谷不在で“第2先発”廃止 小刻み継投策で戦う

[ 2017年2月5日 05:30 ]

侍ジャパンの小久保監督(左)にあいさつする武田
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 3月の第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一奪還を目指す侍ジャパンの小久保裕紀監督(45)は4日、ソフトバンクの武田翔太投手(23)をメンバーに追加したと発表した。不参加が決まった日本ハムの大谷翔平投手(22)に代わる選出で全28選手が決定。小久保監督は当初、ロングリリーフを務める「第2先発」を構想に入れていたが、小刻みな継投策に打って出る考えを示した。大黒柱の大谷が不在となった戦いでスクランブル態勢を敷く。

 古巣のソフトバンクを視察した小久保監督は三塁ベンチ前で武田とガッチリ握手をした。大谷を出場メンバーから外す苦渋の決断はあったが、これでようやく28人の出場メンバーがそろった。「武田は先発で起用します。大谷を先発の一角と考えていたところに、武田が入る」と説明した。

 大黒柱である大谷の招集断念を受け、今後はいかにその穴を埋めるかが焦点となる。指揮官は「権藤投手コーチとも話をしている。基本的に先発は球数目いっぱいの起用でいこうと話をしている。2番手、3番手以降は、次の登板も見据えた起用になると考えている」と語った。WBCは各ラウンドで球数制限が設けられている。さらに、29球以内なら連投は可能で、30〜49球なら中1日、50球以上投げれば、中4日空けなければならない規定がある。菅野、則本、武田、石川の先発4人以外の9投手は「29球」、「49球」の球数を見据えた継投策で臨む。

 当初は4人の先発に、2番手を「第2先発」とし、ロングリリーフを任せる構想だった。その候補に千賀、牧田、増井、藤浪の名前を挙げていた小久保監督。しかし、大谷の不参加が決まった3日以降は発言にも変化が生まれている。牧田、千賀の起用についても「2番手、3番手」という表現に変わった。「第2先発」という概念を取り払い、2番手以降は連投や中1日でスタンバイさせることで、先発投手のその日の出来次第では、すぐさま継投策に打って出るわけだ。「大谷ロス」を総力で解消し、世界一奪還への道を切り開く。

 球数を意識する理由はもう一つある。今大会は1、2次ラウンド(各3試合)でプレーオフ制度が導入される。勝敗が並んだ場合に行うもので、2次ラウンドまでの10日間で最大8試合を戦うことになった。「そこも想定している」と指揮官。球数制限規定で登板できない投手が増えれば、継投の選択肢は狭まってしまう。権藤投手コーチと細やかな登板プランを練り上げる考えだ。

 大谷不在をいつまでも引きずっているわけにはいかない。3月7日のキューバとの初戦は刻一刻と迫っている。小久保監督は「(大谷は)残念ながら出られませんけども、選手、僕自身含め、しっかりと、“彼の分も”という思いを持って、本番に臨みたいと思います」と言葉に力を込めた。 (倉橋 憲史)

 ≪1次Rは65球まで≫今大会における投手の球数制限は、13年の前回大会のルールが引き継がれる見込みだ。1人の投手が投げられる球数は1次ラウンドが65球、2次ラウンドが80球までで、準決勝&決勝は95球。また、50球以上投げた場合は中4日、30球以上あるいは、2試合連続登板(この場合は30球未満でも適用)の際は中1日の間隔を空けなければならない。必然的に投げる投手の数が多くなるため、それぞれが高いパフォーマンスを発揮することが求められる。

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2017年2月5日のニュース