広島・大瀬良 納得39球 緒方監督「去年と全然違う」

[ 2017年2月5日 05:30 ]

フリー打撃で打撃投手を務めた大瀬良
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 広島の大瀬良大地投手(25)が日南キャンプ第1クール4日目の4日、フリー打撃に初登板。プロ4年目で自身最速となる登板だったが、鈴木、田中の侍ジャパンコンビ相手に安定した投球フォームからキレのある球を投げ込んだ。緒方監督からも一定の評価を受け、先発復帰に向け視界は良好だ。

 試金石とするには、これ以上ない相手と言っていい。侍ジャパンメンバーの鈴木と田中相手に直球28球、スライダー8球、カットボール3球の合計39球を投げ、許した安打性の打球は5本。鈴木に対しては最後の18球目こそ中堅バックスクリーンに運ばれたが、それまでは1本の安打性も許さず、見逃しストライクを4球奪う、現状では完璧に近い内容だった。

 「7、8割くらいの力でバランスよく投げました。現時点でのボールとしてはよかった。変化球は抜ける球もあったけど、良いボールもあった。キャンプ3日目までのブルペンではバランスが悪かったので気にしていたんですが、今日はすごくよかったです」

 前日3日のブルペンでコンビを組んだ石原から「考えて投げているなと思った」と、苦しみながら投げる様子を微妙なニュアンスで表現されていたが、一夜明けて、しっかりと上昇曲線を描くまでにもってきた。

 昨年はバランスを崩したままの状態で厳しい練習を続け、2月の沖縄キャンプ中に右肘痛を発症。1軍初登板は7月20日中日戦での先発までずれ込み、3回4失点の内容。8月14日DeNA戦以降は中継ぎとして16試合登板するにとどまった。

 昨年の教訓を生かし、今季は体調管理には細心の注意を払っている。「体は問題ない。大きな進歩」と戦う準備はできている。緒方監督も「去年と全然違う形で入れている。安定したフォームで安心した」と話せば、畝投手コーチも「去年は下半身の開きが早かったのが(今回は)改善されて良くなった。肘に連動するところだからね」と及第点を与えた。

 視察した中日・井本スコアラーも「昨年に比べたら順調に来ている。チーム状況としても、ジョンソン、野村に続く先発投手となってほしいはず。ケガさえなければ、そうなっておかしくない」と警戒を強める。1年目の2014年には、先発として10勝を挙げ新人王に輝いた実績もある。同じ過ちは繰り返さない。開幕ローテーション入りへ、手応えをつかんだ。 (柳澤 元紀)

 ▽大瀬良、過去のフリー打撃初登板

 ★14年 2月11日、鈴木将、庄司に対してカーブ9球を含む49球。37スイングで安打性4本、9球のファウルを取った。

 ★15年 2月7日、堂林と松山に直球主体の34球で安打性4本、ファウル12球。対堂林では課題だった右打者への外角球に進化を見せた。

 ★16年 2月7日、庄司と丸に計43球で安打性10本。最速138キロに「バランスを重視した」と調整途中を強調した。

 ※場所はすべて日南キャンプ

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2017年2月5日のニュース