【追球】DeNA山崎康の変貌 昨季反省し「心技体」磨く

[ 2017年2月5日 09:30 ]

ブルペンで投げ込む山崎康
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 「心技体」。スポーツ界でよく使われる言葉だ。DeNAの山崎康晃投手(24)が、心技体全てで変貌を遂げようとしている。キャンプ初日から4日連続ブルペン入りし、昨季のスローペースから調整を一変。昨季まで使わなかったスライダーも磨き、新外国人パットンとの守護神争いにも闘争心で勝ち抜く。

 第1クール最終日のブルペン。この日も山崎康はマウンドに立った。「よっしゃー!」。自らを鼓舞するように吠えて投げ込む。プロ3年目。「勝負」と位置付けるシーズンに向け、これまでと違う姿を見せている。

 体力面 キャンプ初日から捕手を座らせて4日連続のブルペン入り。計204球となり「(過去2年の)キャンプでここまで投げ込んだことはない。いい調整ができている」と言う。ハイペース調整の背景には昨年の反省がある。初めて捕手を座らせたのが9日目。前年の疲労を考慮してスロー調整だった。2年連続で30セーブ以上を挙げたが、疲れが出た8月に3敗を喫するなど失速。「去年は悔しい思いをした。1年間投げ抜く体力を」と意気込む。

 技術面 プロで軸にしてきた球種は直球と宝刀ツーシーム。しかし、2年目の昨年は球種を絞られる上に球筋も見極められ「直球とツーシームだけでは厳しい」とスライダーを投げることを決断した。亜大時代に投げていた変化球の復活。この日のブルペンでは51球中6球がスライダーで、ツーシームの4球よりも多かった。捕手の戸柱が「速いカーブ」と表現する軌道。篠原投手コーチは「投球の幅を広げることは、自分を助けることになる。実戦でも使えるようにしてほしい」と期待を口にした。

 精神面 1年目は絶対的な存在がいなかったため、抑えに抜てきされた。新人記録の37セーブで実績をつくり、2年目は早々と指名された。しかし、今季は新外国人パットンと守護神の座を争うことになる。競争相手がいることで、これまで以上の闘争心をかき立てられた。今キャンプで自ら志願し、パットンの隣のロッカーを使用し「彼の存在を成長材料にしたい」と話す。

 「心技体」を磨き、守護神の座を守る。山崎康は「何とかクローザーとして、試合の最後を締めたい」と決意を口にした。 (中村 文香)

 ▼DeNA・ラミレス監督 第1クールを終えて一番印象に残っているのは(山崎)康晃。去年は彼にとって悔しいシーズンだったが、今年は直球も良く、ツーシームの切れも上がっている。康晃とパットンには開幕まで平等にチャンスを与える。

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